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NEWSLETTER of The Japanese Society for Applied Animal Behaviour, No.43, JAN 2016

巻頭言
 

友永雅己(副会長・京都大学霊長類研究所)

皆様、お久しぶりです(ニュースレターでは)。安江会長の下でも引き続き副会長をさせていただくことになりはや半年以上が経過しました。京都大学霊長類研究所の友永雅己です。応動行もISAE2015の熱狂からの落ち着きを取り戻し、次なるステップに向けて様々な議論が始まっています。アニマルウェルフェアの未来について皆様とともに考えていきたいと思います。


 私はどうかといいますと、ここ1-2年ほど、ウマの魅力になぜか取りつかれてしまい、ポニョ・ニモ・トーマスというどこかで聞いたことのある名前のポニーたちを相棒に、比較認知研究を始めました。もちろん、主戦場はチンパンジーの研究ですのでそちらをおろそかにするわけではありません。ただ、ウマについては、ほぼまったくの素人状態から出発したので、元会長の近藤誠司先生の「ウマの動物学」などを座右の書としながら、ようやくひとつ研究をまとめることができました(Biology Letters, DOI: 10.1098/rsbl.2015.0701)。今後とも応動行の先生方にいろいろ教えていただきながら、このすばらしい生き物の心についてさらに深く研究していきたいと思います。


 さて、この成果を公表するにあたり、私は何の躊躇もなく初めから海外の国際誌に英語で投稿しました。「帝国主義」だ何だと言われようと、科学の世界における標準語は英語でしかないからです。いくらノーベル賞級の発見をしても、それが日本語で書かれていてはほとんどの研究者の目には届かないのです(ノーベル委員会は他言語の業績にも目配りしているといううわさがあるにせよ、です)。その意味で、昨夏に札幌においてISAE2015の開催が成功裏に終わったことは本当にすばらしい出来事だったと思います。多くの若い方が発表されていました。私は残念ながら1日しか参加できなかったのですが、その熱気は十分に伝わってきました。ただ、一つがっかりしたことがあったのも事実です。それは、ポスター発表では多くの若い日本人の方が発表していたのに対し、口頭発表での日本人の発表数がきわめて少なかったことです。スケジュールの関係もあったのかもしれませんが、それを勘案しても、国内開催の国際研究集会で、ここまで日本人の、特に日本人の学生・ポスドクの発表が少なかったものは、初めてでした。


 私自身、英語での発表、特に英語での質疑応答が苦手で、いつも苦労しているのですが、これは場数と練習を積むことによって改善できるものです。ポスター発表では、聞いてくれる方と一対一できちんと議論できる利点があります。多少のつたない英語でも、ゆっくり相手の目を見て話せば理解してもらえます。それに対し、口頭発表は、限られた時間の中で自身の研究の序論から結論までをコンパクトにかつ論理的にまとめあげる作業が必要です。これを英語でするのが大変だから、皆さんの腰が引けるようになってきたのかなあと、考えたこともありました。しかし、実はそうではないのではないか、と思うようになってきました。そもそも英語で話すということ以前に、「自身の研究の序論から結論までをコンパクトにかつ論理的にまとめあげる」ということができなくなっているのではないか。もしかすると、学会の側がそういう機会を提供しきれていないのではないか。私たちの側にも反省する点は多々ありそうです。国際的な成果の発信の第一歩からもう一度考えていかなければと思う今日この頃です。


 さて、もうひとつISAE2015に参加して思ったことは学際的な交流の重要性です。私は、応用動物行動学というよりも比較認知科学が専門です。それでも、ISAE2015に参加した海外の研究者の発表には多くの刺激を受けました。領域や手法が違っていてもそこには研究のアイデアがたくさん存在していました。今後はそのような機会をもっと多く応動行が提供していかなくてはならないと感じています。私の副会長としての役目の一つは他学会等との交流の促進です。その一環として、今年の7月に横浜で開催される国際心理学会(ICP2016、http://www.icp2016.jp)において応動行が提案したシンポジウムが開かれます。タイトルは「Animal welfare: A scientific assessment of animal stress and comfort」です。さらに、来年(2017)には6年ぶりに4学会合同大会”Animal 2017”が東京大学駒場キャンパスで開催されることが決定しました。学会員の皆さんがこういった学際的な研究交流の場に積極的に参加して視野を広げていくことを強く期待しています。





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日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2016年度春季研究発表会の開催と演題募集について
 

新宮裕子(大会担当・根釧農業試験場)



 標記研究発表会ならびに総会を下記日程と要領で開催いたします。皆さま、ふるってご参加ください。本年も日本畜産学会第121回大会(2016年3月27日~30日)の関連学会として、開催いたします。口頭発表とポスター発表があります。発表を希望される方はご注意ください。

開催日時

○研究発表会:2016年3月30日(水) 9:00~12:20、13:25~16:40
*ただし、演題数によりスケジュールが若干、変更になる場合があります。事前に、学会Webページでご確認ください。
○総会:同日 12:25~13:25
 懇親会 2016年3月29日(火)(18:00頃)に行う予定です。会場、時間、会費等は後日連絡致します。

開催場所

日本獣医生命科学大学 第一校舎(東京都武蔵野市境南町1丁目7-1) 
 研究発表会(口頭発表会場)・総会 B棟5階511講義室
 研究発表会(ポスター会場) B棟3階314講義室

春季研究発表会申し込み要領

1)発表申し込み
発表希望の方は、担当者宛てに、2016年2月5日(金)(必着)までに、講演要旨をメールにて送信してください。講演要旨の送信をもって、発表申し込みとします。
 なお、発表申し込みの際には、発表方法(口頭発表、ポスター発表)および所属する学会名(日本家畜管理学会、応用動物行動学会)を明示してください。


発表申込み先 事務局:八代田 真人 (yayo(a)gifu-u.ac.jp) 
(a)を@に変えてご利用ください。


2)講演要旨の作成
 要旨原稿は、A4サイズ1枚とし、講演要旨作成要領に従って、Word(保存形式は2010以前のもの)で作成の上、添付ファイルで送信してください。講演要旨は白黒印刷されますので、写真や図を掲載される際にはご注意ください。なお、講演要旨作成要領は、日本家畜管理学会Webページ http://www.jslm-org.com/ 、応用動物行動学会Webページ http://www.jsaab.org/ からもダウンロードできます。


【ご注意下さい】応用動物行動学会及び日本家畜管理学会(以下、本会とする)は、特許法の規定による「特許庁長官が指定する学術団体」の指定を受けておりません。したがって、特許出願前に、本会が主催する研究発表によって、日本国内において公然と知られた発明の場合には、特許を受けることができません。特許申請をお考えの発表者におかれましては、十分、お気をつけくださいますようお願い申し上げます。


3)発表方法
 講演順と講演時間については、プログラムが確定後、発表者にお知らせするとともに、学会のWebページに公開します。口頭発表とポスター発表の詳細はwebページの年次大会の項目をご参照下さい。講演順と講演時間については、プログラムが確定後、発表者にお知らせするとともに、学会のWebページに公開します。


4)優秀発表表彰
 学生(大学院生含む)を対象とした優秀発表表彰を行います。優秀発表表彰は、ポスター発表に限定しますので、優秀発表表彰を希望される方は、申し込みの際、発表方法をポスター発表として、申し込んでください。学生であっても、口頭発表された方は優秀発表表彰の対象とはしませんので、ご注意ください。



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◇「動物の『管理』とは何か?」を考えるワークショップの告知
 



江口祐輔(農研機構 近中四農研)

 応用動物行動学会・日本家畜管理学会の共催で「動物の『管理』とは何か?」を考えるワークショップを開催いたします。


 2002年3月に応用動物行動学会が設立されて以来、日本家畜管理学会と応用動物行動学会は共同で機関誌(Animal Behaviour and Management)を発行するとともに、研究発表会やシンポジウムなども合同で開催してきました。また2006年には、「家畜管理学と応用動物行動学が扱う範囲は?-共通部分と独立部分-」と題した合同シンポジウムを開催し、それまでの足跡から、両学問分野の今後の方向性についても意見交換しています。
この合同シンポジウムから10年近い歳月が流れ、両学会共同の研究発表会やシンポジウムを通して大勢の若手が研究者として育ってきています。わが国で2回目のISAE大会が無事終了したここらで、再度ワークショップを開催し、特に若手を中心に「自身の考える動物の『管理』とは何か」を話題提供いただき、両学会の対象とする分野の今後の方向性について、再度、両学会員間で考えてみたいと思います。
 両学会員の皆様の積極的なご参加をお願い致します。

【開催日時】2016年3月27日(日) 15:00~17:00(時間帯は変更する場合あり)
【開催場所】日本獣医生命科学大学 B棟5階511教室

テーマ:「動物の『管理』とは何か?-私の考える『管理』とは-」

第1部 話題提供(各自15分程度で自身の研究紹介と『管理』への考え紹介)
1.野生鳥獣における『管理』-堂山宗一郎 先生(近中四農研)
2.展示動物における『管理』-小倉匡俊 先生(北里大)
3.伴侶動物における『管理』-福澤めぐみ 先生(日本大)
4.産業動物における『管理』-沖田美紀 先生(広島大)
5.実験動物における『管理』-山田弘司 先生(酪農学園大)

第2部 話題提供者の発表を受けて、動物の『管理』についてデイスカッション

(オーガナイザー 安江 健)





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◇ISAE2015会計報告(暫定版)
 

出口善隆(ISAE2015会計委員・岩手大学)

 学会員の皆様にはISAE2015開催へのご協力をいただき、ありがとうございました。まだ、若干の事務処理が残っておりますので、現時点での暫定的会計報告をさせていただきます。なお収支差額の取り扱いにつきましては、2016年3月の総会の議決を経て決定する予定です。

<大会会計>
収入の部
一般参加費(143名)    3,569,000
学生参加費(74名)      935,000
要旨集販売(126部)     504,000
学会関係寄附(Animal2011等) 520,007
企業・個人寄附         994,748
雑収入               254
 計              6,523,009

支出の部
会場費              802,800
委託手数料(JTB)       1,079,841
要旨作成費           1,140,372
要旨印刷費            317,520
人件費(会場係等)        146,000
事務・会議費            89,880
消耗品費             163,691
Web関係経費(HP作成等)    188,890
接待費(会場飲食等)       239,939
 計              4,168,933

収支差額            2,354,076円

<懇親会会計>
収入の部
懇親会費(153名)       810,000

支出の部 
懇親会費(懇親会費、賞品等)   724,422

収支差額              85,578円  






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◇日本畜産学会・若手研究者交流会「サイエンスナイト」  

新村 毅(基礎生物学研究所)



研究で何かを明らかにしたり何かを実現したりするとき、1つの学問分野でも多くのことができる一方で、そこには明らかな限界が存在することも事実です。畜産学会の魅力の1つは、応用研究を主体として、様々な分野の研究者が全国から集まることにあると思います。しかし、そのような研究者が集まっているのに、緊張して発表して、楽しく飲んで終わり・・・ということも多いのではないでしょうか?それだけでは、もったいない!と考えたことがある方は、ぜひサイエンスナイトに御参加下さい。サイエンスナイトは、畜産学会の若手研究者が一堂に会し、分野や年齢や大学の垣根を超えて交流する企画です。自分の研究を紹介し合って、研究の楽しさ、応用研究についてとことん語りあう場を提供します。そこには、大学では味わうことのできない魅力がきっとあるはずです。
 例年、学生の参加費はたった1,000円ですが、食べ物・飲み物もたくさん用意しています。サイエンスナイトへの参加登録や企画内容は、日本畜産学会・若手企画委員会HPにアップデートされますので、下記URLから申し込み下さい。皆さんの参加を、企画者一同楽しみにお待ちしています。


日本畜産学会・若手企画委員会HP:http://www.jsas-org.jp/wakate/index.html












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◇学会年会費納入のお願い  

松浦晶央(北里大学)


 本学会の会計年度は3月1日から翌年の2月末日までとなっております。年会費未納の方は、年会費2,000円をお振込み下さるようお願い申し上げます。3月に宇都宮大学で開催されました研究発表会に出席されなかった会員の中には未納の方が多くいらっしゃいます。2015年12月14日現在(会員数235名)、本年度(2015年度)会費未納者は107名もいらっしゃいます。2014年度会費未納会員も34名いらっしゃいます。これでは本学会を健全に運営することができません。学会年会費のすみやかなお振込みをお願いいたします。


 お振込み方法(「郵便振替口座」に、年会費をお振込みください。)
加入者名 応用動物行動学会
口座番号 02790-9-13298
お振込みには郵便局に備え付けの「郵便振替払込用紙」(青色、振込み人が振り込み料金を負担する用紙)をご利用ください。


 なお、年会費未納会員には会計担当幹事より催促のメールを近日中に送信致します。また、2012年春の入会から、学生会員については指導教員の情報もデータベースに登録することといたしました。学生会員で未納の場合、指導教員にもお知らせいたしますので、ご指導いただけますようよろしくお願い致します。ご不明な点は、


会計担当幹事:松浦晶央 (matsuura(a)vmas.kitasato-u.ac.jp)
※(a)を@に変更して,送信してください
までお問い合わせください。





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◇第17回アジア・大洋州畜産学会議(第17回AAAP)の開催と研究成果発表のお願い  

竹田謙一(信州大学)


昨年は、ISAEの日本開催で盛り上がったところですが、本年も日本で大きな国際会議が開催されます。それが、第17回アジア・大洋州畜産学会議です。


 アジア・大洋州畜産学会議は、当該地域の19 ヵ国が参加するアジア・大洋州畜産学連合(AAAP)が2年ごとに開催する国際会議であり、1980 年の第1 回から当会議で17 回を迎えるアジア・大洋州地域における畜産学分野で最も権威のある国際会議です。日本での開催は、1996 年の第8 回の千葉幕張メッセでの開催以来、20 年振り2 回目となります。


 アジア・大洋州は家畜頭数、畜産物の生産量、消費量いずれも全世界の約50%を占める世界最大の畜産地帯であり、これら諸国の畜産事情を理解し、既存の資源を活用すると共に、新たな畜産資源を発掘していくことが重要です。アジア・大洋州は、欧米の畜産物とは異なる新たな資源の宝庫であり、日本の研究者がこれら諸国と交流を深めることは、新たな畜産業の振興、促進にもつながると期待されます。


 今回の会議は、アジアの玄関口であり、アジアの文化・学術の中心都市として発展中である福岡において、「環境と人類・家畜の福祉に寄与する持続的家畜生産の進展を目指して」をメインテーマとして開催いたします。まさに、応用動物行動学会がリードすべく、畜産学における分野がメインテーマです。メインテーマを決定する議論の過程において、応用動物行動学会で数々の要職を務められて来られた麻布大学の田中智夫先生、北海道大学の近藤誠司先生、東北大学(現、帝京科学大学)の佐藤衆介先生、玉川大学の安部直重先生の提案や支持もあり、「家畜の福祉」がテーマの1つとして組み込まれました。不肖、私も組織委員会の募金・広報・登録部会メンバーの一人として、会議の運営に関わらせて頂いています。応用動物行動学会の活動は非常に盛んなのですが、その盛り上がりは、他の関連学会に広がっていないのも実情です。例えば、本国際会議の主要分野である畜産学において、未だ「家畜の福祉(あるいはアニマルウェルフェア)」の重要性は伝わってきません。


 今回の国際会議を機に、ぜひ畜産分野において「家畜福祉」の研究が重要で、日本において盛隆であること、そして、欧州の考え方に基づきながらも、日本、ひいてはアジアに特化した家畜福祉の考え方も必要で、その中で新しい技術開発が行われていることをアピールしてみませんか?




会期、会場の詳細は、以下のとおりです。
2016年8月22日 開会式、基調講演、ウェルカムレセプション (いずれも会場はホテル日航福岡)
    8月23日
     ≀   シンポジウム、ワークショップ、一般講演、ポスター発表、閉会式等
    8月25日
(23日以降の会場は、九州産業大学)


 発表演題の申し込みは、既に行われており、2016年3月31日が締め切りです。詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。


The 17 AAAP web site: http://www.aaap2016.jp/




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◇編集後記   

深澤 充(NL担当 東北農業研究セ)

 新年号ですが、誰もあけましておめでとうネタも申年ネタも書いてくれませんでした。ちょっと意外な感じです。


 これを書いている時点ではまだ2015年ですが、今年はISAE2015という学会的には大きなイベントがありました。新しい2016年は申年ですが、「猿騒ぐ」と言われ、大きな転機を迎える年なんだそうです。学会としても次のステップを模索するシンポジウムが春の学会で開催されます。皆さまのご意見でさらに楽しい学会になっていくといいなぁと思います。


 次号は4月発行予定です。大会・シンポジウムのふり返りと国際心理学会でのシンポジウムの紹介を掲載予定です。お楽しみに。







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ISAE2015 関連

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