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NEWSLETTER of The Japanese Society for Applied Animal Behaviour, No.36, APR 2014

◇「副会長から  

友永雅己(副会長・京都大学)




 副会長の友永雅己です。今年度もまた1年間よろしくお願いいたします。


 さて今回は、私が所属している京都大学でのさまざまな取り組みについて、簡単にご紹介しようと思います。

1)博士課程教育リーディングプログラム

「霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院」





 「リーディング大学院」は、日本学術振興会がすすめている「博士課程教育リーディングプログラム」事業のことです。学振のHPのうたい文句を『引用』しておきましょう。「優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援し、最高学府に相応しい大学院の形成を推進する事業です。」(http://www.jsps.go.jp/j-hakasekatei/)


 2013年10月1日、京都大学としては5番目のリーディング大学院として「霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院(PWS)」が発足しました。代表であるコーディネーターは京都大学霊長類研究所の松沢哲郎教授。私も担当教員として参加しています。


 このPWSの目的についてはホームページに詳細に記載されています(http://www.wildlife-science.org/)。また、松沢氏自身が執筆されたエッセイなどもネットからアクセス可能です(http://www.kyoto-bhutan.org/pdf/Himalayan/015/Himalayan-15-093.pdf)。京都大学がこれまで培ってきた野外研究(フィールドワーク)という伝統を基盤として、野生動物の研究を推進する「ワイルドライフサイエンス」という新興の学問を展開するとともに、生物多様性の保全に対して目に見える形での貢献に寄与できる国際的人材を育成することを目的としています。このプログラムで育成された人材の羽ばたいていく場所として、3つの「出口」が設定されています。まず一つは「国連や国際機関・国際NGO」です。ここで、絶滅危惧種保全の専門家として国際的に働く人材になることが期待されます。次に、「博物館・動物園・水族館」です。学位を取得したキュレーター(博士学芸員)として勤務し、社会貢献を行っていく人材です。最後は「一国アウトリーチ」。これはきわめてユニークです。長い歳月をかけて一国を対象としたアウトリーチ活動を担う実践者を育成します。京都大学で言えば、ブータンなどでのアウトリーチ活動がそれにあたるでしょう。


 これらの人材を育成するためのカリキュラムもユニークです。そもそもこのリーディング大学院は正式名称の「プログラム」という言葉が示すように、新しい研究科、新しい専攻ができたということではありません。PWSが独自に学位を出すということはないのです(ただし、学位記には本プログラムを履修したということが明確に記載されます)。本プログラムには座学はほとんどなく、すべてが実習形式になっています。京都大学が管理している宮崎県幸島、鹿児島県屋久島、新潟県妙高高原や、熊本サンクチュアリ、霊長類研究所、京都市動物園、日本モンキーセンターがその実習の舞台です。私も霊長研で比較認知科学実習を担当します。また、研修場所を自ら選択して6か月間研修を行うというサバイバル的な実習もあります。


 応用動物行動学会との関連も深いプログラムだと思います。特に出口の一つである動物園などでのキュレーターは、日本にはこれまでほとんどなかったものではないでしょうか。こういった人材がどんどん動物園や水族館に勤務できるような環境を私たちが作っていく努力も必要であると思っています。


2)公益財団法人日本モンキーセンターの発足





 先のPWSの項にもありましたが、愛知県犬山市には京都大学霊長類研究所に隣接する形で日本モンキーセンター(JMC) があります。皆さんにはもしかすると「日本モンキーパーク」と言った方がなじみがあるかもしれません。2013年3月31日までは財団法人だったのですが、2014年4月1日をもって公益財団法人となり、遊園地部分の「モンキーパーク」とは経営母体が分離されました。これを機に、モンキーセンターの所長は松沢哲郎氏となりました。また、JMCは日本で唯一の登録博物館でもある動物園です。4月1日からはこの博物館長として山極寿一氏、また動物園長として伊谷原一氏が就任しました。いずれの方々も現役の京大教授です。また理事長には京大前総長の尾池和夫氏が就任しています。


 これを見ると、「京大がJMCの経営を始めた」と思われる方も少なからずいるかもしれません。しかしながら、それは少し違います。京大と(というかPWSと)連携していくというのは事実ですが、JMCの運営は理事会が行います。この理事会は同一の組織からは1/3以上の理事を置かないことになっています。


 4月1日からJMCは大きく生まれ変わりつつあります。定款を見ると、その「心意気」を感じることができるのではないでしょうか(http://www.j-monkey.jp/about_us/pdf/memorandum.pdf)。


 第3条の目的にはこうあります。「霊長類等に関する調査研究を基盤に、その保護と生息地の保全を行い、社会教育・普及活動や図書等の刊行、標本等の資試料の収集、さらには福祉に配慮した動物園の設置及び経営などを通じて、学術・教育・文化の発展及び地球社会の調和ある共存に資することを目的とする」


 そして第4条には事業が列挙されています。10個の事業が挙げられていますが動物園はその6番目に書かれています。つまり、JMCにとって動物園は第一のミッションではなく、それは「霊長類に関する総合的な調査研究」なのです。また、目的にも「明記」されているようにJMCが運営する動物園は「福祉に配慮した」動物園なのです。動物園の4つの機能というのがよく取り上げられていますが、JMCが目指すものは、明らかに従来の動物園とは異なるように思います。日本動物園水族館協会は(1)レクリエーション、(2)環境教育、(3)種の保存、(4)調査研究、を挙げているが、JMCは(1)の機能をほとんど持たないのです。さらには、(3)の種の保存についても明らかに他の園館とは一線を画しています。PWSと連携することにより、ユニークな展開が期待されます。JMCのミッションの優先度は「調査研究、保全、環境教育」となっています。


 生まれ変わったJMCがどこへ向かおうとしているのか、多くの園館が固唾をのんで(声を潜めて?)見守っています。皆さんもぜひJMCでの研究や実践に参加してみませんか?











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2014年度春季合同研究発表会報告  

矢用健一(大会担当・農業生物資源研究所)




 つくば市にある文部科学諸研究交流センターを会場とし、日本家畜管理学会との合同春季研究発表会が3月25日に開催されました。合計42題(うち、応用動物行動学会申込分は33題)のエントリーがありました。昨年は、ポスター発表という新しい試みが功を奏し、例年、40題前後のエントリー数であるところ、52題ものエントリーがあったのですが、今年は、つくばというあまり魅力のない土地柄のせいか(茨城県は3年連続魅力度ワースト1という汚名をもらっています)、平年並みに戻ってしまいました。
新たな試みとしては、シンポジウムを翌日にすることで、大会に丸一日費やせるようにしたことです。また、ポスター発表者は、口頭発表の会場でパワーポイントスライドを使って1分間のポスター紹介をするようにしたことも新たな試みです。


 午前中に奇数番のポスター紹介後、すぐにポスター会場で奇数番の発表者の責任時間を30分間設け、午後は偶数番で同様のことを行ったところ、発表会場は、(寂しい思いをしている発表者は少なく)まんべんなく盛り上がっているように思えました。1分間とはいえ、紹介のプレゼンテーションで、ある程度内容がわかることから、話を聞きたいポスターの絞り込みができたのが良かったのかもしれません。熱い議論が続き、奇数番ポスター発表の後に開催される総会や、偶数番の後の撤収のために何度も呼びかけをするぐらい盛り上がりを見せ、充実した発表会となりました。もちろん、口頭発表も、14題あり、本学会発表会伝統の15分間の持ち時間でも足りないぐらい充実した議論を行えていました。


 今年も昨年に引き続き、ポスター発表の学生会員に限り、優秀発表賞を設けました。19題のエントリーがあり、1つの演題に対して4名で審査を行いました。厳正なる審査の結果、以下の方が優秀発表者として決定いたしましたので、ご報告いたします。


・有賀 小百合さん(東北大学)
「肥育牛における土壌のエンリッチメント素材としての有用性」


・木内 明子さん(信州大学)
「ソーシャルネットワーク分析を用いた
         牛群の親和関係の空間的及び行動的な解析」



おめでとうございました!


ポスター発表の1分プレゼンテーション


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総会報告  

竹田謙一(副会長・信州大学)

2014年度日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同総会が、2014年 3 月 25日(火)に文部科学省研究交流センター 国際会議場で開催されました。総会資料は2014年3月22日メール配信のものをご覧ください。





議事
1)2013年度活動報告
(1)庶務、(2)編集、(3)会員、(4)会計および会計監査報告について、
 各担当幹事および監事から報告があり、承認されました。


2)2014年度事業計画(案)
(1)庶務:
 シンポジウムは2014 年7 月20 日(日)にICAC2014 国際会議のシンポジウムとして、 「畜産現場における野生動物被害」を開催予定(神戸ポートピアホテル)。
 ISAE2014発表者・役員参加助成は、本学会の会員で、東海大学大学院農学研究科の八代梓さん、東北大学大学院農学研究科の有賀小百合さんに発表者助成、ISAE2015大会長で北海道大学教授の近藤誠司先生に役員派遣助成する旨の提案がありました。また、2013年度と同様に夏の学校、写真コンテスト等の企画も提案されました。
日本家畜管理学会評議員の割愛について提案がありました。


(2)編集、(3)会計について、各担当幹事から提案がありました。


上記提案を含め、2014年度事業計画(案)はすべて承認されました。


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日本家畜管理学会・応用動物行動学会  
2014年春季合同シンポジウム報告

二宮茂(国際連携担当幹事&シンポジウム担当幹事・岐阜大学)







 3月26日、シンポジウム「原発事故警戒区域内に取り残された牛のその後」-応用動物行動学会特命チーム報告-を開催しました。受付に設けた記帳の記録を確認したところ、シンポジウムの参加者は合計94名でした。平日の朝開始にもかかわらず参加者が100名近くとなったのは、シンポ内容への関心の高さの現れだと思います。ちなみに、参加者の内訳は、学会関係者が50%、学生が20%程度であり、その他にも行政関係者が10%、一般の方が15%程度でした。


 また、会場の受付にて、シンポを知ったきっかけに関するアンケート調査を行いました。きっかけの多くは学会からの連絡でしたが、20%は学会HPをみて、10%はポスター掲示をみて、と回答頂きました。今回、これらの広報も機能していたと考えられます。


 さらに、広報として新たな取り組みを行いました。シンポ内容から一般への広報をいつも以上に行った方がよいと考え、矢用大会幹事のはからいで‘ラヂオつくば’にご協力頂き、シンポの告知を行いました。その中で、シンポ講演者である茨城大学安江先生がラジオに生出演されました。生放送でほぼ打ち合わせ無しにもかかわらず、DJとの絶妙なやりとりを演じられ、大いに盛り上がったそうです(その音源は、安江先生と矢用大会幹事がお持ちです)。


 前日の研究発表会およびその後の懇親会が大変盛り上がったにもかかわらず、学会の皆様には、翌朝きっちりシンポに参加頂きました。また、安江先生はじめ学会関係者皆様、シンポ広報にご協力頂きました。この場を借りて御礼申しあげます。








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春季シンポジウム参加報告  


木村元大(岐阜大学M2)





 3月26日(水)茨城県つくば市文部科学省研究交流センター国際会議場で開催された応用動物行動学会・日本家畜管理学会2014年度春季シンポジウムに参加しました。


 今回のシンポジウムでは、「原発事故警戒区域内に取り残された牛のその後-応用動物行動学会特命チーム報告-」をテーマとし、応用動物行動学会特命チーム(以下、特命チーム)の5人の先生方からこれまでの活動や研究成果についての講演でした。学会に初めて参加した私にとっては、これまで特命チームでどのような活動を行ってきたのかについて知ることのできるよい機会だと感じていました。
 
 初めに酪農大の森田先生から、特命チームを設立した背景と活動の概要について説明がありました。震災から今も原発事故警戒区域内で生き続けている牛たちを動物愛護・福祉の観点から研究に活用することで、彼らを保護する意義が出てくるのだろうと感じました。


 続いて、茨城大の安江先生の講演では放牧地の放射性セシウム濃度が保護牛の排泄によって、どのような動態が見られるかというものでした。草地側の視点からどのように調査を行ったのか、草地の調査についてあまり知識のなかった私にとっては、とても勉強になりました。


 3人目は岩手大の出口先生が放牧地における保護牛の行動についての講演でした。講演で用いられたスライドは放牧地を色別に示しており、放牧地のどのあたりで牛が摂食、休息していることが多いのかがわかりやすかったです。また牛の行動と放牧地内の空間線量に関係性があるのかという点は興味を持ったので、さらなる調査の結果などもお聞きしたいと感じました。


 4人目の岩手大の岡田先生は、警戒区域内の放牧地並びに放牧牛の放射性物質汚染状況についての講演でした。講演スライドの中で出てきた白骨化した牛や痩せ細った牛の写真は震災の悲惨さを改めて感じさせるものでした。さらに、セシウムが牛のどの部位に沈着するのかというお話を聞くことができ、牛とセシウムの関係について新たな知識を得ることができました。


 最後に東北大の佐藤先生の講演は警戒区域の解除にあたり、半野生となった牛たちを今後どうしていくのかというお話でした。警戒区域内のウシを保護し、それらを新たな酪農モデルへとつなげていくことはとても興味深く感じました。同時に、特命チームのさらなる活躍に期待したいと感じました。


 今回のシンポジウムに参加してみて、特命チームの活動は学会内だけでなく、畜産・動物に携わる多くの方々に知っていただく必要があると思いました。そのため、こうしたシンポジウムや報告会は続け、情報を発信していくべきだと感じました。また、この特命チームの活動には、多くの学生たちも参加しているとお聞きしました。ぜひ今度は活動に参加している学生の報告なども聞いてみたいと思いました。


 初めての学会参加ということで不安でいっぱいでしたが、多くの先生方や学生と情報交換ができ、自分にとって貴重な体験となりました。この経験を今後の研究活動に生かしていきたいと思います。











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応用動物行動学会・日本家畜管理学会共催
2014年度春季シンポジウム
「原発事故警戒区域内に取り残された牛のその後」報告  

佐藤衆介・森田茂・安江健・出口善隆・岡田啓司





 表記シンポジウムが、一般への公開のもと、100名弱の参加者をもって、2014年3月26日(水)文部科学省研究交流センター(つくば市)にて開催された。2011年に学会内に作られた特命チームの中から5名が講演を行った。


演者ならびに演題は以下の通りであった。
1.森田茂(酪農学園大学):特命チームの活動報告について
2.安江健(茨城大学):放牧地における放射性セシウムの動態
3.出口善隆(岩手大学):放牧地における保護牛の行動
4.岡田啓司(岩手大学):警戒区域内の放牧地並びに
             放牧牛の放射性物質汚染状況
5.佐藤衆介(東北大学):見直された警戒区域のその後


各演者に以下の通り講演を要約してもらった。
1.森田茂(酪農学園大学):特命チームの活動報告について
 2011年3月11日の大震災とそれに伴う津波は、直接、多くの家畜の命を奪った。さらに4月22日には、福島第一原発20km圏に立入禁止区域である「警戒区域」が設定されたことで、家畜の生存は困難となった。応用動物行動学会は「震災対策関連事業の一環として、福島第一原発20km圏内家畜の処遇(役割)検討を行なう」ことを決議し、「警戒区域内家畜保護管理特命チーム(実施責任者:佐藤衆介東北大教授)を結成した。他のメンバーは、森田茂(酪農学園大学)、出口善隆・岡田啓司・佐藤至(岩手大学)、竹田謙一(信州大学)、安江健(茨城大学)、八代田真人(岐阜大学)であった。


2.安江健(茨城大学):放牧地における放射性セシウムの動態
 これら特命チームを中心に、2011年11月~2013年11月にかけて、南相馬市の旧警戒区域内の保護牛収容放牧地においてCs汚染状況をモニタリング調査した。その結果、43~66頭/9.8haという高い放牧強度で2年間周年放牧を継続することにより、雨水によって斜面上部の総Cs沈着量は、草地部分で15万Bq/m2、林地部分で25万Bq/m2、斜面下部に移動することが明らかとなった。加えて総Cs沈着量が増加する斜面下部においても、その増加は主に地表2cm以下の部分で起こったため、植生中のCs濃度や地上1mの空間線量率には影響しなかった。これらの結果から、保護牛を活用したCsの移染・除染モデルを提案した。


3.出口善隆(岩手大学):放牧地における保護牛の行動
 放牧地を50mメッシュに区切り、41区画に分けた。2012年8月~2013年11月にかけて、各区画での保護牛の滞在頻度、摂食頻度および休息頻度と空間放射線量との関係を調査した。滞在頻度、摂食頻度および休息頻度の高かった場所は、ロールベールサイレージが置かれた区画とその周辺であった。2013年4月では、上記区画に加えて、傾斜中部の比較的平坦な区画での頻度も高かった。空間線量は、西側の放牧地で高かった。以上より、滞在頻度、摂食頻度および休息頻度と空間放射線量との間に、明確な関係は確認できなかった。


4.岡田啓司(岩手大学):警戒区域内の放牧地並びに放牧牛の放射性物質汚染状況
 2012年9月に、日本獣医師会のバックアップで、一般社団法人・家畜と農地の管理研究会が結成され、旧警戒区域に残された9牧場700頭の牛のうちの7牧場250頭がこの組織に参加している。そのうちの1カ所である浪江町小丸共同牧場において、昨年度1年間、南相馬で行った試験の大規模版を実施した。このエリアは16haの完全に囲われた所に35頭の牛が放牧されており、空間線量率が20〜40μSv/hと高く、牛の年間推定累積被ばく量は300mSvであった。土壌のセシウム濃度はわずかなずれで大きな差が生じた。9月〜11月の牛の行動は放牧場全体に広く分散していたが、12月〜2月には、飼料給与場所と畜舎付近に集中していた。地上1m空間線量率は、牛の生息密度の低いところで減衰率が大きく、生息密度の高いところは減衰率が小さかった。


5.佐藤衆介(東北大学):見直された警戒区域のその後
 警戒区域内に残されたウシは、2011年4月に家畜としての存在意義を失った。従って、我々の当初の支援は、保護牛の存在意義の模索であった。ススキ及びシバによる在来草原と里山からなる場所にウシを野生化状態で放牧し、生物多様性と野生化牛の行動を展示するという提案を3度行ったが、採択されなかった。2012年3月からは、警戒区域の見直しが始まり、保護牧場は避難指示解除準備区域となり、2016年度の解除に向けて、2014年には除染が開始される。そこで、その地に近未来型酪農モデルを構築すべく「100%自給飼料、放牧及びIT化を技術基盤としたアニマルウェルフェア酪農の開発」を国に提案したが、それも採択されることはなかった。保護の意義が途絶える期限は迫っており、新たな提案が期待されている。









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◇フォトコンテスト報告  


伊藤 秀一(東海大)




 2013年度に,初めての試みとして開催したフォトコンテストの表彰を,2014年度春季合同発表会において行いました.48点の応募作品の中から,部門賞(4部門各1点),最優秀賞(部門賞より1点)を厳正なる審査により決定しました.本年度も開催を予定しております.会員の皆様,是非ご協力をお願いします.


総会における表彰の様子



最優秀賞・フリー部門賞 西村 幹也氏(会員からの紹介)

展示動物部門 優秀賞 山梨 裕美氏(京都WRC)

伴侶動物部門 優秀賞 出口 善隆氏(岩手大)

産業動物部門 優秀賞 松浦晶央氏(北里大)

応募いただいた作品は,応用動物行動学会HPで紹介して行く予定です
(HPの題材として,作者の名前を入れて使用いたします).









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書籍紹介「ネコの愛護管理学入門」  

植竹勝治(麻布大学)



本書を1月30日に緑書房から出版しました。定価は1,000円(本体価格、税別)です。ページ数(47ページ)からすると割高に思われるかもしれませんが、これまでともすると関係者間で独我論的議論に陥りがちであったネコの愛護管理について、客観的な判断材料としての科学情報を集約して提供したつもりです。“山椒は小粒でもぴりりと辛い”的専門入門書とでも自称しておきます。出版の動機等については、本書のまえがきに書きましたので、この場をお借りして、そちらを紹介させて頂きたいと存じます。


☆☆☆ 以下、「ネコの愛護管理学入門」まえがきより抜粋 ☆☆☆
 この本を執筆しようと考えたのには2つの理由がある。第1点目は、それぞれの地域で、動物愛護管理に現場レベルで直接関わり、日々奮闘しておられる行政・NPO・獣医師・企業等の関係者の方々、すなわちステークホルダー(stakeholder)の方々に、ネコの愛護管理に関する科学的情報を幾ばくかでも提供することである。国(環境省)の「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」の中でも、今後の施策展開の方向として「科学的な知見等に基づいた施策の展開も重要であることから、動物の愛護及び管理に関する調査研究を推進する必要がある」とされているものの、現状では、動物の愛護管理、特に技術的な課題に焦点を当てて科学的な知見を体系的にまとめた書籍はほとんど見られない。そこで動物愛護管理に関する法学的内容は情報源に委ねるとして、この本では、ネコとヒトとの共生のあり方、特に日常的なネコの個体群および個体の管理に関する技術的な問題に焦点を当ててまとめることにした。


 第2点目は、大学において、動物愛護管理に関連する分野を学ぶ学生に、動物愛護管理について科学的に考え、アプローチするきっかけを提供することである。動物の愛護管理は学問として科学的に体系化された分野ではないけれども、あえて本書のタイトルを「愛護管理学」としたのは、家畜管理学のように、今後におけるこの分野の発展を願ってのことである。また、本文中の専門用語には極力それに相当する英単語・熟語を記載するように努めた。自分の研究者としての駆け出しの頃を思い起こしてみても、入門書の索引をよく学術用語集代わりに使っていたものである。


 こうした考え方やアイデアに、読者が少しでも共感を覚えてくれたなら、この本を出版した目的は達成されたといえるだろう。(後略)



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神戸アニマルケア国際会議 2014  


 神戸アニマルケア国際会議(ICAC KOBE)は、阪神淡路大震災15 周年を機に発足し、人を含む全ての動物の福祉を向上させ、人と動物の共生に貢献するために開催されています。第3回目となる今回の会議では、副題を「人と動物の未来の為に」と題し、基調講演と9 つのシンポジウム、ポスターセッションを通して、人も動物も幸せに居られる未来の実現について考えます。多くの皆さまのご参加をお待ちいたしております!


 応用動物行動学会主催のシンポジウムも開催されます!




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◇編集後記   

深澤 充(NL担当 東北農業研究セ)

 新年度のニュースレターをお届けしました。春の学会が終わったこの時期は例年ですと一番活性が高まっているのですが、私は春先早々風邪をひいてしまいました・・・。今年は前厄ですし(もう若手じゃない)、万事慎重に物事をこなすようにしたいと思います。


 次回は7月の発行になります。写真コンテストの告知や私たちの学会に関連するNPOの紹介などを考えております。


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