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NEWSLETTER of The Japanese Society for Applied Animal Behaviour, No.35, JUN 2014

◇「今年を学会の飛越の年に!」  

植竹勝治(会長、麻布大学)




 会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。今年は午(ウマ)年ですね。干支にあやかって、今年1年が、会員の皆様とともに、応用動物行動学会にとって、1年後のISAE2015札幌大会に向けた飛越の年になればと願っています。


 その一方で、午は十二支の中間に位置し、前半が終わり、後半が始まるときを意味するそうです。2002年3月に設立された本学会も、2014年3月で干支暦に因るところの12年を一巡しますが、ここ数年間の会員数と構成メンバーの変遷を顧みてみると、今がまさに学会の趨勢としては午の時期にさしかかっているのではないかと思われます。これまでに、佐藤衆介先生、近藤誠司先生といった我が国における応用動物行動学のパイオニア世代から、第二世代ともいえる森田茂先生、私と学会の舵取りを引き継いで参りましたが、かつて若手と言われた第三世代の現役員主力メンバーも40歳前後となり、まさに研究者としても午の時期にさしかかっています。さてその次の世代は?と見渡すと、一般会員における表面的な会員数の増加傾向とは裏腹に、長期間在籍するコアの正会員、特に若手の会員はさほど増えていないように思われます。いわゆる任期付き雇用等の若手研究者を取り巻く社会的な雇用システム上の構造的障壁が背景要因としてあるにしても、若手がその学術分野のアクティビティと将来性、すなわち学会の命運、行動学的言うならば適応度を左右する訳ですので、若手の生存率向上が、学会執行部としても看過することのできない最重要課題だと認識しています。


 このような学会の命運をかけた重要な時期に、来年札幌で国際学会が開催されることは、ある意味、本学会にとってとてもありがたい起爆剤になるのではないでしょうか。それをモチベーションあるいはリリーサーとして活かさない手はありません。そのために昨年の現執行部発足時に、若手を積極的に登用させて頂き、彼らを中心に周辺関連学会で各種共同イベント=街宣活動を仕掛けてもらってきています。今年もその流れを堅持しつつ、同時にISAE2015運営委員会と連動して、本学会と国際学会双方の広報活動、すなわちプレゼンスを強化して参りたいと存じます。宣伝材料としては、本学会の国際応用動物行動学会(ISAE)とのリンケージの強さをもっともっとアピールする必要があると考えます。10年前の日本でのISAE2005開催とそれに相前後して沸き起こった国内における本学会・分野の盛り上がりが、映画『猿の惑星』の自由の女神よろしく一過性のバブルとして我が国の科学の歴史の中に埋もれてしまうのか、はたまた今後も若手を魅了する学術的な輝きを放ち続けることができるのかは、今年の活動と来年のISAEの成否にかかっている、と言っても過言ではありません。


 結論として、2015年のISAEの成果は2005年の「倍返し」だ!そのためにいつやるか、「今でしょ」。「じぇじぇじぇ」古~い by「ふなっしー」。科学分野では「iPS細胞」、おっとっとこちらは2012年のノミネートでした。年初から厳しいことを書かせて頂きましたが、言葉は時代を映す鏡、2014年には、本学会から、新時代を切り開く流行科学用語が生まれることを期待しています。


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◇日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同  
2014年度春季研究発表会の開催と演題募集について

矢用健一(大会担当・農業生物資源研究所)






 標記研究発表会ならびに総会を下記日程と要領で開催いたします。皆さま、ふるってご参加ください。本年も日本畜産学会第118回大会(2014年3月27日~29日)の関連学会として、開催いたします。


前年度より、口頭発表の他にポスター発表を取り入れています。発表を希望される方はご注意ください。

開催日時



研究発表会:2014年3月25日(火) 9:00~12:30、13:30~16:30
*ただし、演題数によりスケジュールが若干、変更になる場合があります。事前に、学会Webページでご確認ください。
総会:同日 12:30~13:30
懇親会を17:30頃から行う予定です。改めてご案内します。

開催場所



文部科学省研究交流センター(茨城県つくば市竹園2丁目20-5) 
国際会議場と2階ロビー

春季研究発表会申し込み要領


1)発表申し込み

 発表希望の方は、担当者宛てに、2014年2月7日(金)(必着)までに、講演要旨をメールにて送信してください。講演要旨の送信をもって、発表申し込みとします。


 なお、発表申し込みの際には、発表方法(口頭発表、ポスター発表)を明示してください。


大会幹事:矢用 健一 (ken318(a)afrc.go.jp)  (a)を@に変えてご利用ください。

2)講演要旨の作成

 要旨原稿は、A4サイズ1枚とし、講演要旨作成要領(学会Webページでダウンロード)に従って、Word(保存形式は2010以前のもの)で作成の上、添付ファイルで送信してください。

【ご注意下さい】応用動物行動学会及び日本家畜管理学会(以下、本会とする)は、特許法の規定による「特許庁長官が指定する学術団体」の指定を受けておりません。したがって、特許出願前に、本会が主催する研究発表によって、日本国内において公然と知られた発明の場合には、特許を受けることができません。特許申請をお考えの発表者におかれましては、十分、お気をつけくださいますようお願い申し上げます。


3)発表方法

 口頭発表とポスター発表の詳細はwebページの年次大会の項目をご参照下さい。
 講演順と講演時間については、プログラムが確定後、発表者にお知らせするとともに、学会のWebページに公開します。

4)優秀発表表彰

 本年も、学生(大学院生含む)を対象とした優秀発表表彰を行います。優秀発表表彰は、ポスター発表に限定しますので、優秀発表表彰を希望される方は、申し込みの際、発表方法をポスター発表として、申し込んでください。学生であっても、口頭発表された方は優秀発表表彰の対象とはしませんので、ご注意ください。



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◇春のシンポジウムの告知  

二宮 茂(岐阜大 国際連携担当&シンポジウム担当 幹事)

2014年3月に行われる2013年度応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同研究発表会の次の日(26日)午前中に、シンポジウムとして、本学会の警戒区域内家畜保護管理特命チームの活動報告会を行うことになりました(プログラムは以下の通り)。


一般公開シンポジウム(参加費無料)ですので、多くの方の参加をお待ちしております。




タイトル
「原発事故警戒区域内に取り残された牛のその後」
 -応用動物行動学会特命チーム報告-」


日時 2014年3月26日(水)9:15(8:45受付開始)~11:35
場所 文部科学省研究交流センター2F国際会議場


内容と講演者
1.特命チームの活動報告について(酪農大 森田茂)
2.放牧地における放射性セシウムの動態(茨城大 安江健)
3.放牧地における保護牛の行動(岩手大 出口善隆)
4.警戒区域内の放牧地並びに放牧牛の放射性物質汚染状況(岩手大 岡田啓司)
5.見直された警戒区域のその後(東北大 佐藤衆介)



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Whole Lotta Love to Your Animals:  
「行動生物学辞典」が出版されました。

友永雅己(京都大)





 2013年の11月に、東京化学同人から上田恵介先生ら計9名の編集による「行動生物学辞典」がついに出版されました。これに先立つ2011年の夏前に第1回の編集会議が開催され、その年の4学会合同大会Animal2011で大々的に出版計画の宣伝を開始させていただきました。私も9名の編集委員に名を連ねさせていただき、多くの方に項目の執筆をお願いしました。集まってきた原稿を前に何度も何度も推敲を重ねてようやく出版にこぎつけました。応用動物行動学会関係でも何人かの方に執筆を依頼しました。ありがとうございました。応用動物学関連では、家畜、動物福祉、環境エンリッチメント、3つのR、5つの自由、伴侶動物、動物園、などなどの項目があります。本辞典の特徴は、このように、行動生態学や、動物行動学だけでなく、学習心理学、比較認知科学、保全生物学、そして動物福祉学といった、行動の生物学的研究に関連する、極めて幅広い領域の用語が掲載されている点にあると思います。そのような目で、もう一度、この辞典を見わたしてみると、実は、応用動物行動学に関する用語がそれほど多くはないこともわかります。一つには編集委員の中に(私も含めて)応用動物行動学に造詣の深い者がいなかったことが挙げられるかもしれません。あるいは、応用動物行動学という「若い」学問の体系化が未だ道半ばということもあるのかもしれません。改訂版が出るころには、必ずや状況は変わっていることと思います。


 さて、本辞典は、「愛」に始まり、「笑い」に終わるという、実にユニークな構成になっています。「愛は非常に多義的で複雑な概念であり、普遍的な定義をすることは困難であるが、国語辞書的には、親兄弟の慈しみ合う心、人間や他の生き物への思いやり、それらを大切にしたいと思う心、子供や動物をかわいがること、美しいものをめでることなどと定義される一連の感情群である(p.1)。」皆さんも対象動物に対する「胸いっぱいの愛を」もって日々がんばってください。その時にこの辞典が少しでもお役に立てば幸いです。


 なお、2014年5月までは割引価格で販売中です。詳しくは友永までお問い合わせください。









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◇養鶏における家畜福祉セミナー
OIEにおける「畜産システムとアニマルウェルフェア(AW)規約」の整備を受けて 報告  


小原 愛(東北大学)







 学会のメーリングリストでも案内をさせて頂きましたセミナーについて報告します。参加者は学会員をはじめ、定員の60名の満員でした。ご参加、お問い合わせ頂いた会員の方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
セミナーは平成25年11月22日に東北大学東京分室にて開催されました。東京駅から徒歩数分とアクセスも良く、北海道から鹿児島まで、研究者、学生、県や市の獣医師や養鶏生産者、養鶏関連企業、出版社など様々な業種の方にご参加いただき、AWの関心の高さ、幅広い業種に関わる重要な関心事であることを実感しました。



 講演内容は、東北大学の佐藤衆介教授より『OIE規約「AWとブロイラー生産システム」の内容と意義』と題してOIEコード全般の説明と、AWの実施には生産者教育が重要であること、実質的にAWを推進するのはISO(国際標準化機構)であろう、という内容でした。ブロイラー生産企業の(株)イシイ竹内正博様の『エッグビルを中心とした米国養鶏のAWの動向』では、州によって州法が異なる米国において、従来型ケージ飼育の禁止が連邦法として不成立になったことは、業界に混乱を招く可能性があると指摘していました。また、農水省畜産振興課和合宏康様の『アニマルウェルフェアに関する行政の対応』では、AWは生産者・小売業者・消費者に関わることであるにも関わらず、一般市民の認知度が2割程度と低いことから、認知度を挙げることが先決である、との内容でした。そしてブリストル大学Andrew上席講師の『養鶏管理者の教育・訓練の実行』では、AWの多くの問題は人―つまり管理者によって左右され、その教育が重要であるとのことでした。その際の注意点として、AWを押しつけるのではなく、家畜と関わり続ける管理者の意見や考えを尊重し、価値観に合わない海外の技術や手法をそのまま応用させるのではなく、関係者と積極的に関わり多く意見を出し合うことが重要であり、それは時間を要する、とのことでした。寄附支援企業との共同調査を行う身として、反省と納得、一瞬の安堵を感じました。またパネルディスカッションでは、AWを取り組む農家への補助金や国による認証制度は検討されているのか、食品安全とAWは関連があるのか、アニマルウェルフェアと家畜福祉の言葉の違いなど、フロアから多くの質問が寄せられ大変充実したディスカッションでした。


 本セミナーを通じて、最も多くのことを学んだのは自分!と自負した充実感と、世界的権威の意外な一面を垣間見てかなり複雑な心境になったりと、色んな意味で勉強になったセミナーでした。


エクスカーションの様子











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◇国際環境エンリッチメント会議(ICEE)の参加報告  

小山 奈穂(SHAPE-Japan)





 こんにちは、SHAPE-Japanの小山です。今年の10月に南アフリカ共和国で、当団体の本部であるThe Shape of Enrichmentが主催する国際環境エンリッチメント会議(International Conference on Environmental Enrichment、通称ICEE)が開催されました。日本では少しマイナーな会議かと思われますので、まずはICEEについて簡単にご紹介いたします。


 ICEEは、動物の飼育管理の工夫や飼育環境の改善に関する情報の発信・共有を目的として、動物園や水族館と大学などの研究機関が共催し、2年に1回いろんな国で開催されています。毎回、動物園や水族館の飼育員、獣医師、行動学や生態学の研究者、学生、施設デザイナーなど、動物飼育にかかわるさまざまな分野の人々が参加し、飼育現場の取り組みについて科学的視点を交えた議論がおこなわれます。


 第11回目となる今回は、南アフリカ国立動物公園がホストとなり、10月15〜18日の4日間、プレトリアに近い国立公園内にある Kwalata Game Ranchで開かれました。日本からは、SHAPE-Japanの事務局メンバー2名、動物園の飼育員1名、大学院生1名が参加しました。開催地までの遠い道のりのせいか、例年に比べると全体的に参加者は少なかったのですが、会議前夜のアイス・ブレーキング・パーティーを初め、基調講演や発表の合間のティータイムやその後のディナーでは、参加者同士の交流の場として和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。


 また、会期中はジープに乗って野生動物の暮らしぶりを間近で観察するゲーム・ドライブや南アフリカ国立動物公園の見学ツアーなど、開催地ならではのイベントも用意されていました。これらの経験を踏まえて、生息地の機能をいかに飼育環境に取り入れるかや、来園者が野生動物の状況を感じられる展示施設についてなど、環境エンリッチメントの実践例から動物園・水族館のあり方まで多岐にわたる議論がおこなわれました。


 ICEEは、動物福祉の先進国と言われる欧米に限らず、さまざまな国から集まった飼育や研究などの各専門家がフラットな関係で語り合える場であるため、自身の視野や人脈を広げるとても良い機会だと言えます。次回は北京動物園と北京大学がホストとなり、2015年6月に中国で開催される予定です。お隣の国ですので、研究者や学生の皆さんにもお気軽に参加していただけるのでは、と勝手に期待しております。


 SHAPE-Japanのウェブサイト(http://www.enrichment-jp.org)では、今回参加したメンバーによるICEEの実況中継や参加レポートを公開しています。写真も満載ですので、少しでも興味を持たれた方、どんな雰囲気なのか気になった方はぜひ覗いてみてください!











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◇フォトコンテスト中間報告  


伊藤 秀一(東海大)




 2013年は,本学会の初めての試みとして,フォトコンテストを開催しました.応募総数は48点でした.応募いただいた皆様にはお礼を申し上げます.現在,審査用のサイトを制作し,審査の準備を進めています.この先,応用動物行動学会幹事および評議員により,厳正なる審査を行う予定です.









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学会年会費納入のお願い  

松浦晶央(会計 北里大)



 本学会の会計年度は3月1日から翌年の2月末日までとなっております。年会費未納の方は、年会費2,000円をお振込み下さるようお願い申し上げます。3月に広島で開催されました研究発表会に出席されなかった会員の中には未納の方が多くいらっしゃいます。本年度(2013年度)会費未納会員は72名、2012年度会費未納会員は20名となっております。本学会財政を健全化するために、学会年会費のすみやかなお振込みをお願いいたします。


お振込み方法(「郵便振替口座」に、年会費をお振込みください。)
加入者名 応用動物行動学会
口座番号 02790-9-13298
お振込みには郵便局に備え付けの「郵便振替払込用紙」
(青色、振込み人が振り込み料金を負担する用紙)をご利用ください。


過去の年会費振込み状況がわからない場合は、
会計担当幹事:松浦晶央 matsuura(a)vmas.kitasato-u.ac.jp
 (a)を@に変えてください.


までお問い合わせください。





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◇編集後記   

深澤 充(NL担当 東北農業研究セ)

 皆様あけましておめでとうございます。本年も応用動物行動学会のニュースレターへのご愛顧よろしくお願いいたします。これから年度末に向けて、学生会員も社会人の会員の皆様も何かと慌ただしくなると思います。お身体には十分お気をつけ下さい。3月の大会・総会で皆様にお会いできるのを楽しみにしております。今年度の新企画・写真コンテストも大詰め。どんな写真が大賞をとるのかお楽しみに。


 次号は4月に発行予定です。3月の大会の報告や7月に開催されます第3回神戸アニマルケア国際会議についての記事を予定しております。

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