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NEWSLETTER of The Japanese Society for Applied Animal Behaviour, No.28, May 2012

 
◇激動?の一年

友永雅己(副会長 京都大学霊長類研究所)







 皆様、副会長をしております友永雅己です。2012年度に入ってもうすぐひと月なろうかとしておりますが、昨年度来のドタバタ感が抜けきれず、このまま年の瀬を迎えてしまいそうな勢いです(執筆時2012年4月23日)。


 昨年は本当に大変な一年でした。副会長の指名を受け、9月のAnimal2011を成功に導くべく実行委員会の末席でのたうってみたり、されに先立つ5月には中部学院大学で開催された日本赤ちゃん学会大会の会長をさせていただき、また、6月には京都で開催された国際意識科学会の事務局長でヘロヘロになっていました。そして当該のAnimal2011も無事終了しました。


 その一方で、私を取り巻く研究環境も激変しました。8月には、三和化学研究所が保有していたチンパンジー飼育施設「チンパンジーサンクチュアリ宇土」が多くの方のご努力の末、ついに京都大学に移管され、京都大学野生動物研究センターの附属施設「熊本サンクチュアリ」として生まれ変わりました。なんと、紆余曲折を経て私が所長を併任することになりました。また、その一方で、日本学術振興会最先端研究基盤事業の「心の先端研究のための連携拠点(WISH)構築」(代表:松沢哲郎)の一環として犬山の京都大学霊長類研究所と熊本サンクチュアリに大型のチンパンジー用ケージ設備が導入され、その設計や製作のためのもろもろのやり取りに忙殺される毎日が続きました。
 ようやくこれらも完成に到り(今年度もう一基設置予定ですが)、犬山の設備は京大のライブカメラからご覧いただくことができます。ただ、こう忙しいと、ミドルエイジクライシスになる暇もないというか、その反動のバーンアウトが来そうで、怖くてツイッターやフェイスブックに投稿する手も滞りがちです(嘘)。


 さて、そんな多忙な毎日の合間を縫って犬山のチンパンジーで認知実験にいそしんでいる私ですが、さらにその隙間を縫うように、各地の動物園や水族館で研究を行ったり、共同研究の可能性を探るべく見学に行ったりしています。現在は、ハンドウイルカやベルーガの認知に関する共同研究をすすめるため、月2回土曜日に名古屋港水族館を訪れ、また、高知県立のいち動物公園では二卵性のふたごチンパンジーのダイヤとサクラの行動発達の研究を月1回日曜日に行っています。決してカツオのたたきを食べに行っていたのではありません。これに加えて、月一回の宇土半島にある熊本サンクチュアリでの会議があり、余力があれば、そのまま天草まで足を運んで通詞島に根付いているイルカのウォッチングを日がな一日行ったりもしています。そういえば、のいちので観察のついでに高知沖でニタリクジラのウォッチングに行ったのも昨年のことでした。もっと昔なような気がしますね。


 このほか、昨年度は、九十九島水族館(海きらら)、おたる水族館、かごしま水族館(いおワールド)などにも足を運びました。うーん。どこにそんなバイタリティーがあるんだろう。数年前のぐうたらな私には想像もつかないですね。今後とも、皆様とともに学会の運営に私の残された少ないエフォートを投入していきたいと思います。明日から2泊3日でソウル動物園です。ではまた。



完成したばかりのチンパンジー用大型ケージで記念撮影。
右に坐しているのはアルファのアキラさん。



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2012年春季研究会報告

◇2012年度応用動物行動学会・日本家畜管理学会
春季合同研究発表会報告

竹田 謙一(大会委員長 信州大学農学部)




本年度は40題の発表があり、2会場にわけての発表となりました。発表内容を対象動物でまとめると、家畜29題、展示動物2題、伴侶動物2題、野生動物5題、その他2題となり、家畜に偏っています。もちろん、日本家畜管理学会との合同発表会でもありますし、昨年9月に、4学会合同の研究発表会があったことも、理由かもしれませんが、個人的には、もう少し、家畜以外の動物を対象とした研究発表があっても良いのではと思っています。


 今回の春季発表会で非常に印象的だった発表が2つあります。1つは、東北大学の佐藤先生がご発表された「東北大学附属川渡FSCの牛群における放射性セシウム汚染の実態」です。私どもの学会では、低線量被爆を受け続けているウシを動物愛護・福祉の観点から、生体保存する道を探るべく特命チームが結成されています。私たちが今までに経験したことのない場面で、まず何から始めればよいのか、汚染実態の発表を通して、理解を深めることができたと思います。


 もう1つは、名古屋市東山動植物園の上野先生がご発表された「応用動物行動学における学術用語に関する整理」です。ご発表では、Animal welfareなどの訳語や定義について、学術用語として単にカナ標記で良いのか、複数の定義があって良いのか、などの問題を提起されました。今後は、私どもの学会が主導して、「動物福祉学」といった教科書が必要になってくると感じた次第です。


 ところで、以前からの切なる願いであった1会場での開催は、お借りする会場の都合で、断念せざるをえませんでした。来年度の発表会に向けて、皆さまのご意見を頂ければ幸いです。
今回の発表会では、本学会員の 加瀬ちひろ さん(麻布大獣医)が優秀発表賞を受賞されました。おめでとうございます。


会場準備に目を光らせる元会長

 最後になりましたが、発表会の前夜に開催された懇親会の準備等にご尽力頂いた本学会員の 新村 毅 さん(名大院生命農学)に御礼申し上げます。

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2012年春季研究会報告

◇総会報告

出口善隆(副会長 岩手大学農学部)



総会資料は2012年3月23日配信のものです。





2012年度応用動物行動学会総会
 開催日時:2012 年 3 月 30 日(金)12:40~13:00
 開催場所:名古屋大学 東山キャンパス ES総合館 ES025講義室
 出席人数:30名
 記録:出口善隆(岩手大学)


報告事項
1.2011年度活動報告
1)メール会議報告から7) Animal2011まで出口副会長から報告があった。6)HPおよびメーリングリストにおいて、現在の問題点等はすでに解決済みであることが報告された。


2.会員状況:総会資料の通り。


3.会計報告:松浦晶央会計担当幹事より報告があった。


4.会計監査報告:監事より適正に管理されていると監査報告があった。


以上、報告事項はすべて承認された。


審議事項
1. Animal2011の余剰金について:青山真人幹事より、Animal2011にて生じた余剰金(50万円)の使途について、これまでの経緯の説明があった。直前に行われた日本家畜管理学会総会では「将来の国際学会(ISAE2015)のための資金とする」ことと承認されたことが報告された。本学会においても「将来の国際学会(ISAE2015)のための資金とする」ことが承認された。


2. 学会誌「Animal Behaviour and Management」投稿規定の変更:安江健幹事から、日本畜産学会報投稿規定が改正されたことにより、「Animal Behaviour and Management」投稿規定に変更の必要が生じたことが説明された。投稿規定(修正案)および投稿の手引き(案)が提案された。評議員会において、投稿の手引き「12.引用文献」について、「近年、二重投稿への規制が厳しくなり、国際学会でプロシーディングとして発表した成果は、論文として投稿できないケースもある。プロシーディングなども引用できるようにした方がよい。」との意見があり、総会において会員の意見を聴取した上で、編集委員会で審議、決定することが承認された旨が報告された。総会においても、投稿規定(修正案)を承認し、投稿の手引きについては、編集委員会で審議、決定することが承認された。


3. 2012 年度事業計画:
1) 2012 年度春季発表会から4) ニュースレターまで承認された。5) ISAE2012発表者・役員について、申請者がなく、該当者なしとなり、承認された。


4.ISAE2015準備状況の報告と6.その他の議題をあわせ、森田会長より、ISAE2015は、9月上旬に北海道大学を会場に開催するとともに、新たに二宮氏(岐阜大学)を国際連絡担当幹事としたいとの提案があり、承認された。5.2012年度予算案:松浦晶央幹事より提案があり、承認された。


なお、審議事項4に関して、編集委員会において決定された「投稿規定」と「手引き」が2012年4月6日付けで配信されました。


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2012年春季研究会報告

◇2012年度日本家畜管理学会・応用動物行動学会春季合同シンポジウム報告

 小針大助(シンポジウム担当 茨城大学農学部附属FSC)




 2012年3月30日、名古屋大学において2012年度の日本家畜管理学会・応用動物行動学会春季合同シンポジウムが開催された。今回は震災後の本大会における2年ぶりのシンポジウムということもあり、テーマを決めるにあたりどのようなものが良かろうかと様々な人に意見を伺った。


 実は、近年アニマルウェルフェアについて多くの話題が提供されるようになってきた中で、「アニマルウェルフェアという考え方についての再確認」という、奇しくも東山動物園の上野先生が発表会で話題提供されたような内容や、震災を免れた動物たちの行動生態のような「被災動物の行動学的バイタリティ」といった内容も提案いただいていた。しかし、シンポ担当者としては、このような時期だからこそ応用動物行動学にできることを考え、多様な研究者が結集して構成している応用動物行動学会を再度見つめなおせるようなテーマにしたいとの思いがあった(ご助言いただいた方々スミマセン!!また検討します)。


 その際、ちょうどJRA総合馬事研究所の楠瀬良先生(現在は日本装蹄師会)のご退職のお話を伺ったのである。楠瀬先生は、長らく日本の競走馬の行動研究を牽引されてきた方であり、本学会の前身である、「家畜行動に関する小集会」の世話人でもある。いわば、本学会の生き字引といってもよいだろう。折しも、2011年は、久しぶりの4冠馬オルフェーブル人気や皇帝シンボリルドルフの他界と世間を賑わすウマの話題も多く、また、日本におけるウマのアニマルウェルフェアガイドラインが日本馬事協会から発行されている。ならば、この時にあって適任者は楠瀬先生しかいないと思い、打診したところ、快く引き受けていただき今回のテーマとなったのである。


 シンポジウムでは、「馬の行動研究~なぜ家畜の行動を研究するのか~」というタイトルで「ウマの行動発達」「ウマの心理」「ウマと人の絆」の3つの視点から、応用動物行動学の可能性について解説していただいた。私の中で特に印象深かったのは、ウマの母子間距離が子馬の成長とともに指数関数的に変化するといった研究についての話で、学生時代にあの美しい推移曲線に感動して先生の論文を何度も読み返した記憶が思い起こされた。大会スケジュールの都合上、シンポジウムの時間を短くしか取れず、また不慣れな司会のため講演後のディスカッションも楠瀬先生には物足りなかったかもしれないと反省している。しかし、講演では、時に人も動物も虜にする「楠瀬スマイル」を織り交ぜつつ、動物を理解するためには長い時間動物と接し、見つめるといった行動学の基本的なスタンスが、新たな動物の深い理解へとつながり、フィードバック研究としての応用動物行動学の発展にもつながるということを随所に感じさせていただき、当初意図したねらいを十分に満たしていただいたことに大変感謝している。


 シンポジウムの開催にあたっては、多くの方々にご協力いただいた。この場をお借りしてお礼申し上げる。また、大会運営と同時に会場準備などに奔走いただいた信州大の竹田先生、帯広畜産大の河合先生、名古屋大の新村先生にも心より感謝申し上げたい。





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2012年春季研究会報告

◇日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同、2012年度春季研究発表会 参加報告

有賀 小百合(東北大学大学院農学研究科 博士課程後期2年)


 3月30日、日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2012年度春季研究発表会が、名古屋大学東山キャンパスのES総合館にて開催されました。また、同日の13:00~14:30にはシンポジウムが行われ、社団法人日本装蹄師会の楠瀬良先生が「馬の行動研究 ― なぜ家畜の行動を研究するのか」について講演されました。行動研究の大家である楠瀬先生の講演を聞けるとあって、わくわくしながらシンポジウム会場へと向かいました。


 楠瀬先生の講演の中でも、特に印象に残っていることは、「育成馬の飼養に適した放牧地の形状」に関する研究です。馬は、駆歩の際の急な方向転換や急停止、牧柵への衝突などにより、怪我をすることがあります。特に、駆歩の際にくるっと旋回する行動は脚を挫きやすく、育成馬にとって危険だそうです。楠瀬先生は、運動場の形状の違いによる、旋回を含む駆歩の発生回数の差について調査されました。サラブレッド種育成馬を3つの放牧地に6頭ずつ、毎日7時間放牧し、行動観察が行われました。放牧地はそれぞれ縦横の長さの比が異なり、正方形(縦:横=1:1)、平行四辺形(1:2)、細長い長方形(1:4)で、すべて同一面積(2.4 ha)でした。講演を聞きながら、私は1辺の長さが短く、方向転換を頻繁にしなくてはならない正方形の区で旋回が多発し、長方形の区ほど、馬を安全に運動させられるのではないかと考えていました。しかし、その予想を反して、縦横の長さの差が大きい放牧区ほど、つまり、細長い長方形の放牧地ほど、旋回を含む駆歩が増加し、怪我の危険が高まることが分かりました。「運動場の環境の違いが黒毛和種肥育牛の福祉性に与える影響」について研究している私にとって、楠瀬先生の研究はとても興味深く、衝撃を受けました。日本の肥育牛はほとんどが狭い畜舎内で舎飼されています。そのため、肥育牛の福祉性改善のためにも、定期的に運動の機会を提供することが求められています。家畜の福祉性改善のために運動場や放牧地を開放する際には、運動場や放牧地の環境にも焦点を当て、家畜の身体的および精神的な健康状態をより一層向上させる工夫が必要であると再認識いたしました。

 今回の学会では、自身の研究成果を発表できたとともに、多くの方々と知り合うことができ、大変充実した1日を過ごすことができました。学会参加者の皆様の様々な研究発表を聞くことができ、さらに多くの先生方のご意見やご知見をいただき、研究の視野をより広げられたように感じます。今後も一生懸命に研究活動に努め、皆様を驚かせられるような研究成果を報告できるように、精進していきたいと思っております。



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2012年アニマルケア国際学会

◇第2回神戸アニマルケア国際会議
(ICAC KOBE 2012)参加報告

中屋 まりな(酪農学園大学大学院酪農学研究科 修士課程2年)


 2月18、19日に第2回神戸アニマルケア国際会議(ICAC KOBE 2012)が開催された。19日のワークショップに参加したので報告する。


 ワークショップⅥ「東日本大震災における被災動物対応の現状と今後の課題―放射性物質汚染への対応を考える―」は、伊藤信彦座長、河又獣医師および佐藤生産部診療課課長の3名の発表者で、構成されていた。当日、7:40千歳発の飛行機で10:15頃会場入りしたため、途中参加・眠さいっぱいのワークショップ参加であった。産業動物に関連した福島酪農協の佐藤組合長が特に興味深い内容であり、これに絞った内容を報告する。3月11日の震災当日から対応に追われる中、泌乳ステージごとの管理や、高泌乳牛の泌乳量抑制への注意および原発事故をふまえた家畜管理について、農家・職員への通知を行っていた。一時的に出荷停止となったときの原乳廃棄処理の課題などが情報提供された。


 震災直後には、組合が利用していない施設の利用(避難先確保)や、家畜の移動についても組合が試みるものの、警戒区域(20km圏内)が設定され、放任家畜が発生せざるを得なかったことが述べられた。佐藤課長は、畜産業が単なる「肉生産」「乳生産」の場ではないと語り、物質循環のため自給飼料や肥料の利用があって畜産業が成り立っていると主張していた。単なる生産は、飼料購入により対応可能であろうが、自給飼料の利用や堆肥使用体系の整備がこれからの課題である。たとえば、育成牛や繁殖雌牛への高セシウム乾草給与により、堆肥のセシウムレベルが上昇した例もあることが示されていた。


 また、本年4月より暫定であった出荷基準が本基準となり、牛乳については50Bq/kgへと低下する。家畜飼料も300Bq/kgから100Bq/kg(水分80%として)になり、厳しい基準となる。これまでの牛乳検査から考えて、この基準は十分クリアできそうであるが、乳製品加工にまわることを前提にすれば、その対応は困難なこともある(脱脂粉乳では10倍濃縮される)そうであった。特に集荷された牛乳は、状況により飲用と加工用に振り分けられることを考えれば、牛乳生産の特殊性が困難さを増しているようである。農業生産計画はすでに始まっており、作付できなければ畑は耕作放棄地になってしまう。そうならないよう、適切な作付計画作成(除染方法など)が、是非必要であろう。


 午後は、ワークショップⅨ「犬との共生」に参加した。人間にとって非常に身近な存在の犬がテーマということもあり、会場は満席であった。農水省生物多様性戦略検討会座長の林氏の講演では、動物愛護法改正に向けての検討が紹介された。近年のペットブームで、動物側の負担を省みずに深夜まで営業する店舗や、移動販売、インターネットでの販売を行う業者が問題視されていることから、営業時間や販売方法の規制へ向けた動きが進んでいるという。また、幼齢犬や幼齢猫を親から引き離す日齢については、会場からの意見が相次ぎ、改正すべきか否か活発に議論されていた。以前、日本では犬や猫を飼う際に、非常に幼齢のもの選ぶ傾向があるという話を目にしたことがある。確かに幼齢の動物は可愛くその時期ならではの魅力があるが、親や兄弟と早く引き離されるために社会性がうまく形成されないという問題点も抱えている。社会性がないために周囲との関係が上手く築けないと、飼っている人間だけでなく、ペットも不幸になる可能性がある。社会性形成の時期については、種類や個体間の差が大きく、一定の基準を作成するのは困難との事であったが、飼い主もペットも幸せに暮らしていくためには、科学的データに基づいた基準の作成が期待される。


 今回は、第1回ICACに比べ家畜に関する話題がやや少なく残念だったが、ワークショップは動物に関する話題のほか、食の安心・安全まで幅広く設けられ、いずれも興味深い内容であった。閉会式では、2014年に第3回会議が開催されることが決まり、アドバイザーの植村氏から熱い意気込みが語られた。次回も様々な分野で、会場を含めた活発な議論がなされることを期待する。






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特集:震災から1年を迎えて

◇震災から1年が過ぎて

押部明徳(農研機構 東北農業研究センター)

地震と津波、その後に起きた電気や油の途絶によって岩手県、宮城県、福島県の3県だけで6,500頭以上の家畜と17万羽以上の家禽が死亡しました。震災後、福島第一原発から飛散した放射性物質によって、5月に福島県と近県に「牧草の利用と放牧の自粛要請」が出されました。7月には、汚染された稲わらが問題になり、福島県に成牛の出荷制限指示が出され、翌月には栃木県、宮城県、岩手県にも同じ指示が出されました。約1ヶ月後の解除まで、その地域の畜産農家は出荷ができず、関連業界も、事業の縮小や停止を余儀なくされました。その後、東北地域の複数の県で牛の出荷検査のルールが示され、と殺時のセシウム濃度を検査する全頭検査などは現在も続いており、牛肉生産では繁殖農家、家畜市場、肥育農家および食肉センター間の牛の流通は震災前の状態には戻っていません。今年、4月から食品中の放射性物質の規制値が引き下げになり、それに伴い、飼料や堆肥中の許容値も一層厳しくなりました。今後、基準値以上の放射性物質を含むために使用できず保管される粗飼料や堆肥はさらに増加することが予想されます。


 震災から1年が過ぎて東北沿岸の大きな町では、再開したショッピングセンターや新築住宅も見られるようになりました。しかし、津波被災地域の小さな集落の中には、土地の利用方法が決まらないまま建物の土台だけが残る更地が数多くあります。動物介在活動で動物とのふれあいが参加者に良い影響を及ぼすことが知られていますが、津波被災地でヒツジを仲立ちとした地域住民の交流を目指す試みがあります。壊滅的な被害を受けた岩手県大船渡市三陸町越喜来地区では、地域の住民が中心となり、ヒツジとその放牧地による景観形成と住民交流の向上を目指すNPO法人(NPO法人リグリーン:理事長、内藤善久 岩手大学名誉教授)が立ち上がりました。このNPO法人は地域内外の会員、賛助会員、学生や支援者を含め、構成員150名で、地権者の同意を得て小規模な草地の造成を始めました。東北農業研究センター・畜産飼料作研究領域は、海水の浸水地域でも生育が期待できる牧草、フェストロリウムなどの栽培を通じてこの活動に協力しています。

津波被災地で活動する東北農研スタッフ

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特集:震災から1年を迎えて

◇長野県北部地震における動物の被災状況

竹田謙一(信州大学農学部)


 昨年3月12日、長野県北部の栄村において、最大震度6強を観測した大震災が発生した。未曾有の災害となった東日本大震災の翌日の発生と言うこともあり、忘れ去られがちな災害となっている。本稿では、忘れてはならない大震災の記録の一部として、長野県北部地震における家畜ならびに伴侶動物の被災状況について報告する。


 震災前、栄村では養豚農家1戸、酪農家1戸、肉用牛肥育農家3戸、計5戸の畜産農家があった。長野県平均と栄村を比較すると、酪農は平均よりやや小規模で、養豚がほぼ県の平均値と同程度、そして肥育農家は大規模経営である。
人的被害として死亡がなかった今回の長野県北部地震だったが、1戸の畜産農家で23頭、もう1戸の畜産農家で3頭のウシが死亡した。そして、5戸の畜産農家は、いずれも畜舎の倒壊、一部損壊が認められた。全壊した畜舎はいずれも、昭和56年の建築基準施行令改正の前に建築された既存不適格建築物だった。特に、この地域では畜舎の2階部分を飼料、敷料保管庫として利用している畜舎が多く、地震に伴う揺れによって、2階に飼料を置いてある分、重心位置が高くなり、揺れが一般家屋よりも大きくなり、建築年が古い畜舎が倒壊したと考えられた。

 地震による死亡した伴侶動物はいなかった。栄村ではイヌが109頭(秋山郷除く)飼育されているが、①外飼いのイヌが多かった、②住居の破損状態が軽微だった、③飼い主が避難していても、自宅の様子を見るときに給餌ができた等の理由で、東北地方太平洋沖地震とは異なり、避難所に伴侶動物が多頭数持ち込まれる事態は発生しなかった。


 長野県北信保健福祉事務所が行ったアンケート調査によれば、寄せられた相談のうち苦情に関するものは1件で、避難所での犬の散歩中における糞の処理に関する苦情だった。それ以外の相談は、イヌの健康に関する事項(持病、避難所でのストレス)、イヌの持ち込みに関する感想と悩み(イヌの持ち込みを許容する感想、イヌの存在が避難所での癒しになると言う感想、吠え癖があるので避難時に持ち込めないという悩み、避難所に持ち込んだことに気がひけると言う悩み)であった。

 今回の地震において、伴侶動物の避難所持ち込みへの苦情がなかった理由の1つとして、栄村におけるコミュニティの強さが影響していたと考えられる。すなわち、日常からお互いの顔が見える生活を送っており、非常事態での不便さは、許容されたと考えられる。このことは、仮設住宅入居の募集(動物飼育は禁止していない)からも読み取れる。


 今後は、地域の大学として、微力ではあるが、栄村の畜産振興等に役立っていきたいと考えている。なお、この被害調査は関係機関からの情報提供やご協力の下、信州大学農学部の教員グループ(竹田、濱野、米倉、渡辺)で行われた。詳細な報告内容については、信州大学山岳科学総合研究所発行「長野県北部地震災害調査研究報告書」をご覧いただきたい。





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特集:震災から1年を迎えて

◇シェルター あるいは警戒区域内の動物を保護するためにバッジを売るということ


藤谷玉郎(福島県動物救護本部(福島県保健福祉部食品生活衛生課内)


震災復興支援のため、秋田県庁から福島県庁に派遣され、福島県動物救護本部におります。







 福島県の非常事態はかなり収まったものの、今でも続いています。しかし、福島県の状況は、近づくこともまかりならない、というほどひどくはありません。私がここでお伝えするのは、現在の福島県の中の、かなりひどい部分を体験した一日です。ひどいがゆえに刺激的であり、マスコミが飛びつきやすい部分です。ですが、福島県のほとんどの地域は、これまで通りの生活があります。







7:30
県庁
本日は警戒区域内(福島第一原発から半径20キロ以内)の被災動物の一斉捕獲の日です。
福島県庁の職員のほかに、応援部隊が全国の自治体から駆けつけています。県庁にいったん集合したあと、前線基地である南相馬市の相双保健所に移動します。警戒区域内に立ち入るため、被曝量を測定する累積線量計を身につけ、スイッチを入れました。1マイクロシーベルト被曝するごとにアラームが鳴ることになっています。


9:30
相双保健所
最新の動物目撃情報などを確認し、化学防護服(タイベック)に着替えます。誤解されていますがタイベックは放射線を防ぎません。タイベックの目的は、使用後に脱ぎ捨てることで体に有害な物質を体に付着させないことにあります。南相馬を出発し、担当の地域に向かいます。われわれの担当は富岡町。途中、大熊町付近で第一原発にかなり近づくことになります。


10:00
警戒区域の検問所
警戒区域は国が管理しており、出入りは厳しいチェックが行われます。あらかじめ通行許可証が渡されていますが、許可証の内容を無線で本部に確認してからでないと通過できません。15分程度待たされました。アラームはまだ鳴りません。


11:00
警戒区域内を移動
警戒区域内を一言で表すと「3月11日で時間が止まった世界」です。歩く人は皆無で、すれ違う車に乗っている人はみんな防護服を着ていて、異次元から来た人のようです。多くの建物は壊れたまま補修されず、道路はところによってずたずたです。津波で流された車がいまだに道路脇に横たわってます。時間の経過を感じさせるのは、生い茂った雑草だけです。
福島第一原発付近を通過する際、初めて線量計がピッと鳴りました。ドキリとします。


12:00
富岡町のとある集落
昨日一時帰宅した住民が飼い猫を保護しており、回収の要請を受けていたので、自宅倉庫に置いていたその猫を無事回収します。その場で飼い主に電話し、無事に回収したことを告げます。今日中にシェルターに収容し、後日引取にきてもらうことにしました。ひとつの命を保護できました。
その後、警戒区域の中を丁寧に捜索します。放浪している犬はいませんでしたが猫はところどころにいました。猫は本能的に狩りができるし、我々や民間の動物団体(残念ながら無許可で侵入していることが多いようです)が餌をまいているので、みんなコロコロと太っています。
ときおり、線量計が鳴ります。


13:00
富岡町・夜ノ森周辺
夜ノ森(ヨノモリ)は桜の名所です。いつかまた夜ノ森で夜桜を見ようというあの人との約束はしばらく果たせそうにありません。


13:30
双葉町
警戒区域の中で、地震による被害が一番大きいのは双葉町の中心街のようです。古い建物はかなり被害を受けています。当然ここも無人ですが、町がこわれているので納得できます。納得できないのは、外見上はまったく壊れていないのに、人がいなくなっている地域です。そんな場所にいると、自分だけが取り残される夢を見ているような気がします。


14:30
相双保健所
タイベックの上からスクリーニングし、汚染がひどくないことを確認してタイベックを脱ぎ捨てます。保護した猫もスクリーニングします。こちらも大丈夫。これまで犬・猫合わせて750頭以上を保護しましたが、汚染がひどい動物はいませんでした。少し休憩して、動物シェルターのある福島市飯野町に向かいます。


16:10
飯野シェルター
福島市飯野町にある飯野シェルターは、警戒区域内の犬・猫を保護管理しています。田村郡三春町にある三春シェルターと合わせて300頭以上の動物がいます。シェルターの運営は主に義援金と支援物資でまかなわれています。
シェルターにはたくさんの犬・猫がおり、毎日の衛生管理(おしっこなんかの掃除ですね)と健康管理はスタッフだけではとても間に合いませんから、全国からたくさんのボランティアに来てもらっています。最近はメディアで紹介してもらうことも多く、ときおり芸能人も駆けつけてくれます。支援の輪が広がっていることを実感します。


17:30
福島県庁
移動の多かった一日もようやく終わり。というわけには当然いかず、ボランティアの要請や日程の調整など、全国に電話をかけなければいけません。ボランティアのみなさんは昼に仕事を持っている方が多いので、電話できるのは夕方以降になります。この日、残業もすべて終わったのは11時半頃でした。累積線量計の値は8マイクロシーベルト。原発にもっとも近づいたころにはやや頻繁に鳴っていましたが、それ以外のところでの線量はだいぶ低いようです。明日もまた一斉捕獲です。


最後に
 福島県は、その放射線量で敬遠している人も多いと思います。しかし、へんてこなところに行かない限り、成人であれば通常生活は問題ないでしょう。警戒区域に半日いても8マイクロシーベルトなのですから、数日間の旅行やボランティアであればなんら問題はないでしょう。福島市や南相馬市に来てみたら、みんな普通に生活しているので面食らうかもしれません。


 福島県動物救護本部は、全国のみなさんからの暖かい支援により、これまでどうにかシェルターを運営してきました。ありがとうございます。残念ながら福島県の被災動物をめぐる状況は、まったく先行きが見えません。まだまだこれからもみなさんの様々な助けが必要です。


 チャリティーバッジの販売も始めました。シェルターで販売しておりますが、お電話をいただければ郵送もいたします。


 これからも福島県動物救護本部をよろしくおねがいいたします。もし時間がありましたら、ホームページをご覧ください。
http://www.pref.fukushima.jp/eisei/saigai/kyuugoindex.htm





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特集:震災から1年を迎えて

◇被災地からの犬の里親譲渡活動

菊水健史、茂木一孝(麻布大学獣医学部)


 2011年3月11日の東日本大震災以来、様々なニュースが報道されております。被災された方々の一日でも早い回復を願ってやみませんが、私たちの教育研究領域である動物たちも震災によって様々な苦痛、生活困難状況にあり、現在もその状況は継続しております。


 震災後、財団法人日本動物愛護協会、公益社団法人日本愛玩動物協会、社団法人日本動物福祉協会、社団法人日本獣医師会で構成される「緊急災害時動物救援本部」が迅速に活動を開始しました。緊急災害時動物救援本部では、動物可の避難所の情報、動物ボランティア募集、避難所での動物との過ごし方などの情報を提供しています。その他、福島県や宮城県、岩手県など、獣医師会を中心に地方自治体と一体化した支援活動が現在も続いております。


 麻布大学獣医学部、動物応用科学科では、これまで動物トレーニング実習において、神奈川県動物保護センターに遺棄され、殺処分対象の犬を預かり、実習を通して再社会化を施し、最終的に新しい里親さんを探し出して譲り渡す、という内容で実習を続けてまいりました。この実習内容は環境省やその他の自治体からも意義の高いものであると広く認められてきたものです。そこで昨年度は、上記動物の被災状況を鑑みて、被災動物をできるだけ多く受け入れ、新しい里親さんを探して、引き渡すということを中心に、動物の扱いと健康管理を学ぶ、という形で実習を進めてまいりました。


 これまで20頭の犬を受け入れてきました。うち19頭は無事に新しい飼い主さんのもとへ譲渡されて行きました。実習では、まず犬の健康管理を実施し、感染やその他の身体的疾患が見受けられた場合は、麻布大学附属病院にて治療を行なってもらいました。それと並行して、家庭内で飼育できるように再社会化のトレーニングを行いました。その過程でそれぞれの犬の性質を科学的視点から見極め、その特性に適した新たな里親を探して譲渡するまでの包括的な内容を行なっております。本活動は、多くのメディアで取り上げていただき、里親募集の手助けを頂きました。またルクセンブルク大使館関係者、国際ソロプチミストからも実習の援助をいただくなど、多くの方の援助によって支えられてきました。ここに御礼を申し上げます。


 現在の犬や猫の状態は、周囲の関心の低下と共に、厳しさを増しているように思われます。特に野犬化した犬たちが繁殖した次世代も生まれ始めており、人の手に触れたことのない、かなり危険性の高い犬たちが多く見受けられるようになっていると伺っています。これらの犬は人を襲う可能性も高く、今後の大きな課題となることでしょう。麻布大学では、次年度も継続して、福島県より犬の譲渡を受けて、微力ながら動物の支援活動を行なって行きたいと思っております。



 写真は1頭だけまだ里親の決まっていないポン太です。ポン太は、タヌキのような容姿が特徴の推定3歳の男の子です。福島県で被災された飼い主さんが飼育を断念し、保健所を経て麻布大学にやってきました。里親さんを募集しています。azabutraining@gmail.comまで御連絡をお願いします



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◇《書籍紹介》「動物園学」

 八代田真人(岐阜大学応用生物科学部)




 本書は,「Zoo Animals: Behaviour, Management, and Welfare (Oxford University Press, 2009)」の訳書で,15章で構成され,索引までを含めて600ページを超える大部である。邦題が「動物園学」となっている事に違和感を覚える方もいるかもしれないが,本書には動物園動物のことだけに限らず,動物園の歴史と理念(2章),動物園を取り巻く法規制(3章),動物園で保全(10章)および研究(14章)を行う意義までが触れられていることを考えると,適切なタイトルとも言える。最近,いくつもの大学で「動物園学」や「動物園動物学」などの講義が開講されているが,本書はその教科書としても十分に活用できるだろう。


 本学会の会員は,行動(4章),動物福祉(7章),環境エンリッチメント(8章),人と動物の関係(13章)にまず興味がいくと思うが,原題のサブタイトルがあらわすように,本書のすべての章においてwell-managementとwell-fareが関係してくると言っても過言ではない。したがって,動物園動物に興味のある学部生や大学院生には,自分の研究対象とする章だけでなく,できるだけ多くの章を読みこなすことを勧める。また,すでに専門分野が確立している人にとっては,専門とする章の内容は,対象が動物園動物であることを除くと,やや浅い印象を受けると思うので,むしろ普段は読まない分野に目を通してもらいたい。例えば,「飢えと渇きからの解放」とは単に餌と水を与えるのではなく,適切な栄養素を必要量給与することを意味するのは言うまでもないが,動物園動物の栄養要求量を推定し,飼料設計をするにはどうしたらよいのか(給餌と栄養,12章)? 動物園の重要な使命の一つは「次世代の繁殖」にあるが,限られた飼育スペースの中で,繁殖適期を過ぎた個体をどう扱うのか(飼育下繁殖,14章)?といった問題は,決して無関心ではいられないだろう。この他に,動物の個体識別と記録管理(5章),飼育施設と飼育管理(6章)および健康(11章)といった,講義としては扱いにくいが,現場サイドではとても重要な内容も取り上げられている。繰り返しになるが,やはり動物園もしくは動物園動物に興味があるなら体系的に学ぶ必要があり,そして本書はその役割を十二分に果たせるだろう。






 最後に本書に関する情報を2つ付け加えておきたい。まず重要な情報として,本書は出版社である文永堂(http://www.buneido-syuppan.com/)から直接購入することをお勧めする。amazonにはすでに在庫がなく,中古本で値がつりあがっている(2012年4月20日現在)が,出版社には在庫がきちんとある(転売して儲けようということを考えてはいけない)。もう一点,訳者の一人としては言いにくいことだが,訳書という事情から原書に比べてかなり値段が高い。大部の専門書の訳書で1万円を切るのはかなりがんばっているのだが,原書は信じられないことに4,270円で売っている(これはamazonで買える)。とくに学部生や大学院生が,原書の専門書と格闘するなら,教員の一人としてはそれを勧めたい。


 最後の最後に,もう一言。私はおそらく訳者の中では唯一,昔も今もこれからも家畜が専門の研究者である。その立場から動物園動物に強い関心がある学生および大学院生に言っておきたいことがある。本書の随所に述べられているが,動物園動物を考えるための基礎となっているのは,ほとんどが家畜の研究から得られた知見である。動物園動物のことばかり関心があり,家畜のことなどまるで関心のない学生にしばしば出会うが,そういう態度は学問的基礎を欠き,いたずらに自分の知識を貧しくしているということも,本書を読めばわかるはずである。






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学会からのお知らせ

◇学会年会費納入のお願い

松浦晶央(会計担当 北里大学獣医学部)

本学会の会計年度は3月1日から翌年の2月末日までとなっております。年会費未納の方は、年会費2,000円をお振込み下さるようお願い申し上げます。この3月に名古屋大学で開催されました研究発表会に出席されなかった会員の中には未納の方が多くいらっしゃいます。本年度(2012年度)会費未納会員は133名、2011年度会費未納会員は65名となっております。本学会財政を健全化するために、学会年会費のすみやかなお振込みをお願いいたします。


 お振込み方法(「郵便振替口座」に、年会費をお振込みください。)
加入者名 応用動物行動学会
口座番号 02790-9-13298
お振込みには郵便局に備え付けの「郵便振替払込用紙」(青色、振込み人が振り込み料金を負担する用紙)をご利用ください。


 過去の年会費振込み状況がわからない場合は、
会計担当幹事:松浦晶央  matsuura(a)vmas.kitasato-u.ac.jp (a)を@にしてください)までお問い合わせください。



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学会からのお知らせ

◇国際連携担当幹事挨拶

 二宮 茂(国際連携担当幹事 岐阜大学応用生物科学部)



 この度、国際連携担当の幹事に任命されました、岐阜大学の二宮です。岐阜大学には昨年4月に着任しました。応用動物行動学会は私が修士2年に進級した時に設立されました。つまり、学生の時から定職を得るまでの私の研究人生ほぼまるごとこの学会にお世話頂いたことになります。これからは頂いた分以上をお返しするつもり(お返しさせられる??)で幹事の仕事を務めたいと思います。
 
 すでに告知されていますが、2015年には国際応用動物行動学会=International Society for Applied Ethology(ISAE)を日本で開催することになっています。まずはその開催に向けて国際連携の強化に努める所存です。至らぬ点も多々あるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。




学会の懇親会で・・・




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◇編集後記

深澤 充 (農研機構 東北農業研究センター)


春の学会も終わり、新年度でお忙しい日々をお過ごしのことと思います。


 今回は、東日本大震災から1年ということで、被災の状況と現状についての特集を組んでみました。今回、非会員にもかかわらず寄稿していただいた藤谷さんは、私の高校・大学の同級生であり、一時は県職員として同僚であり、自動車学校で苦楽をともにした友人です。私の住む岩手県でも、大部分の地域では震災前の生活に復旧しつつあります。その一方で、いまだに津波や原発の影響に苦しまれている方や動物たちがいます。それは遠い世界の話ではなく、私たち一人一人が直面しなければならない現実であることを忘れてはいけません。


 彼が夜ノ森の夜桜を見ようと約束した「あの人」が、「どの人」のことを指しているのか私には皆目検討つきませんが、被災者や被災動物の方々に桜を楽しめる生活が戻り、心の平穏が訪れる日が少しでも早く来るように力になれればと思います。




がんばろう東北。






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