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NEWSLETTER of The Japanese Society for Applied Animal Behaviour, No.27, Jan 2012

 
◇2012年度の年頭にあたり 
 ~龍のことは俺に聞け~

森田 茂(会長・酪農学園大学獣医学部)






 応用動物行動学会会員の皆さん、2012年、明けましておめでとうございます。2011年には、私自身、多くのことを学びました。悲しみや、苦しみはつらく、毎日毎日悩むことも多く、悔やむことも多いですが、再起の喜びや将来の希望は、とても素敵な光を放ちます。そうした希望を持ち、ともに楽しく歩む、2012年にしましょう。


 さて、応用動物行動学会は、幹事たちの献身的な活動に支えられ、順調に運営されております。会員の皆様には、会費納入(2000円)をぜひお願いします。本年春の学会では皆さんとお会いできることを、多くの斬新な研究成果に触れることを、楽しみにしております。


 本年の国際応用動物行動学会(ISAE2012)は、オーストリア・ウィーンで開催されます。こちらにも多数の当学会会員の方が参加されるでしょう。国際応用動物行動学会(ISAE)に未加入の方は、ぜひ入会の上、参加ください。国際学会参加も含め、ユーロ・ポンドの安い、今がチャンスです。植竹勝治副会長は、ISAE役員です。希望される方は、是非お問い合わせください。応用動物行動学会では、2005年のISAE開催(麻布大学)の果実を基に、国際学会派遣のための基金を設置しています。まもなくご案内します。是非、ご活用ください。
応用動物行動学会で取り扱う動物は、「ヒトと係わる動物である産業動物、伴侶(愛玩)動物、実験動物、展示動物、野生動物」と会則第2条に明示されています。当学会の機関紙であるAnimal Behaviour and Management を手にとってご覧下さい。表紙にはサンソン図法で書かれた地球の周りを、十二支が取り囲んでいます。十二支は、ねずみ、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬および猪です。


 2010年3月発行された46巻1号には、明治大学で開催された学会の要旨が掲載されています。「ねずみ」は記載がありませんが、この年のシンポジウム、海老原先生による「マウスの”行動的絶望”を制御する量的形質遺伝子の特定」で扱われました。牛、馬、羊、鶏、犬そして猪(第1会場17および18番)の行動は、もちろん扱われています。猿(チンパンジー)の行動は、第1会場の11から13番の発表で扱われています。虎の行動は、第1階会場6と7番に猫の行動がありますので、これで代用することにして、十二支の中で、扱われていない動物は、兎と龍と蛇となります。2011年は、兎年でした。2012年の干支は龍です。来年は、蛇なんですね。私の会長任期中(2011年4月~2013年3月)の干支は、この兎と龍と蛇です。研究対象動物として、これらの動物を扱い、発表される方の登場を強く期待します。


 応用動物行動学会での共通な考え方は、「馬のことは馬に聞け」で表現されます。こうしたスタンスこそが、多くの動物を対象とした研究が一堂に会し、活発に行われる原動力でもあります。しかし、2012年の干支は龍です。「龍のことは龍に聞け」とはいきません。空想上の動物でこそ、実力(?)が発揮されるものです。龍の行動レパートリーを組み立てられた方は、存在がかねてより噂される「裏のニュースレター」に投稿ください。


 「(例)「龍-ヒト関係」:良く飼いならされた龍の背中、首、頭に人は乗ることができる(アトレイユ, 1984)。しかし、喉にある一枚の鱗に誤って触れると、龍はひどく攻撃的になり、管理者が危害を蒙る事がある。この鱗を幼齢期に除去する方法は、現在までに確立されていない。この鱗は、他の鱗と向きが逆についているので区別が付きやすい。龍を扱うときは、動物体をよく観察して、注意深く接しなければならない。」


 とにもかくにも、2012年も動物を良く観察して、得られた成果を、明るく楽しく大きな声で発表しましょう。そして、相手がどんなヒトであっても、辛辣な意見や質問をドンドンなげかけ、学会活動を楽しみましょう。ただし、「逆さの鱗(逆鱗)」の場所にはいつも注意ください。

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2012年度 応用動物行動学会大会のご案内



竹田謙一(大会担当・信州大学農学部)





標記年次大会を日本家畜管理学会と共催で、下記の日程と要領で開催いたします。本年は、日本畜産学会第115回大会期間(2012年3月28~30日)に関連学会として、最終日の3 月30 日に2会場を使用して開催いたします。




日 時:2012 年 3月30日(金)8:30~17:30
場 所:名古屋大学 東山キャンパス (地図はこちら)




<春季研究発表会の発表申込みを以下のように行います。
ふるってご参加下さい>


発表の申し込み:
講演要旨の受け付けをもって、発表の申し込みとします。発表希望の方は、2012年2月13日(月)(必着)までに、講演要旨をメールにて、大会担当の竹田宛にお送りください。


要旨の作成:
講演要旨作成要領は、学会ホームページに掲載されています。各自でダウンロードしてお使いください。


優秀発表表彰:
優れた研究発表を表彰します。学部生、院生限定です。講演要旨申し込み時に、同時に受け付けます。





発表要旨送付・問合せ先:
竹田謙一 ktakeda(a)shinshu-u.ac.jp
 ※アドレスは(a)を@にしてください.

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◇2012年度 春季シンポジウム開催のお知らせ

小針大助(シンポジウム担当・茨城大学農学部)

 3月30日に2012年度応用動物行動学会・日本家畜管理学会合同研究発表会が名古屋大学で開催されますが、同日に馬の行動研究に関するシンポジウムを開催いたします。今年はシンボリルドルフの他界、オルフェーブルの4冠と馬に関するにぎやかな話題が多いですが、それらを踏まえて学術的な観点から古今の馬の研究について議論できればと考えております。多くの方のご来聴お待ちしております。




タイトル「馬の行動研究―なぜ家畜の行動を研究するのか」
日時 2012年3月30日13:00~14:30
場所:名古屋大学 東山キャンパス(教室は発表会に同じ)
講師:楠瀬良 (社)日本装蹄師会 常務理事




問い合わせ先:小針大助 (茨城大学農学部附属FSC)
Tel:029-888-8705, E-mail: kohari@mx.ibaraki.ac.jp




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◇学会年会費納入のお願い

 松浦晶央(会計担当・北里大獣医学部)


 本学会の会計年度は3月1日から翌年の2月末日までとなっております。年会費未納の方は、年会費2,000円をお振込み下さるようお願い申し上げます。今年度は春の研究発表会が中止となったため、未納の方が多くいらっしゃいます。本学会財政を健全化するために、学会年会費のすみやかなお振込みをお願いいたします。


 お振込み方法(「郵便振替口座」に、年会費をお振込みください。)
加入者名 応用動物行動学会
口座番号 02790-9-13298
お振込みには郵便局に備え付けの「郵便振替払込用紙」(青色、振込み人が振り込み料金を負担する用紙)をご利用ください。


 過去の年会費振込み状況がわからない場合は、
会計担当幹事:松浦晶央までお問い合わせください。
     matsuura(a)vmas.kitasato-u.ac.jp
※メールアドレスは(a)を@にして送信してください.



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◇第2回 神戸アニマルケア国際会議(ICAC KOBE 2012)
 開催のお知らせ

ICAC KOBE 2012事務局




社団法人日本獣医師会、公益社団法人Knots 共同主催にて、以下の通り、第2回 神戸アニマルケア国際会議を開催致します。


第2回 神戸アニマルケア国際会議(ICAC KOBE 2012)
「その医療と健康管理」~人と動物の未来の為に


日 時:2012年2月18日(土)10:30-16:30(レセプション18:00-20:00)
          19日(日)10:00-17:00
会 場:神戸ポートピアホテル
※入場は無料です。ご参加の登録を、下記ウェブサイトよりお願い申し上げます。







 この会議は、2009年、阪神淡路大震災15周年を契機に、神戸の街には、ある種の役割が有るという認識から、『全ての存在に「感謝」し、生きている限りは「幸せ」であることが、命に対する「責任」である』というキーワードで、『全ての命に対する人間の責任』に付いて考えていこうと立ち上げられ、第2回を迎えます。


 第2回会議では、獣医師を中心とする専門家達が、「東日本大震災の経験」と「健康」をテーマに最新情報を伝え、人と動物の関わりから生まれる「食の安全・安心」「共通感染症」「放射能の影響」「高齢者看護との関わり」「緊急災害時の対応」「生態系の健康」「人と動物の絆」といった広範な課題について、今後の在り方を議論致します。


 第1回の会議終了後、口蹄疫、焼肉店での飲食による死者、そして、東日本大震災とその後の放射能の影響と、人と動物の課題が、危機管理の問題としても、一般の方にも意識され始めました。動物に関わり、それを専門とする皆様の役割が、益々求められ、また、注視もされることになっています。そのような中、ご自身の役割に付いても今一度見つめ直す機会ともして頂ければ、望外の喜びです。


沢山の皆様を神戸にお迎え出来ますよう、心よりご参加お待ち申し上げております。


会議内容詳細と参加登録に付きましては、ウェブサイトをご参照下さい。




<神戸アニマルケア国際会議事務局(公益社団法人Knots 内)>
 担当/白川・森内
 〒650−0004 神戸市中央区中山手通6−6−7−405
 Tel&Fax/ 078-599-6663 (受付時間:月~金 13:00 ~ 17:00 )
 E-mail: animalcare@knots.or.jp





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◇アニマルウェルフェア(AW)普及啓発セミナー

小原愛(㈱イシイ、東北大学大学院農学研究科FSC客員研究員)


 筆者は2011年3月まで東北大学家畜福祉学(イシイ)寄附講座に勤務していましたが、2011年4月から出向元の㈱イシイに戻り、日本各地のブロイラー農場のAW評価調査を行っています。
10月7日のアニマルウェルフェア普及啓発セミナーでは「ブロイラー農家でのウェルフェアレベル評価及び向上のための対策」のテーマで調査の報告を行いました。


 大学に在籍中は、生産現場ではAWにおいて重要な五つの自由(①餓え・渇きからの自由、②物理的不快からの自由、③病気・怪我・痛みからの自由、④恐怖・苦悩からの自由、⑤正常行動を発現する自由)のうち、生産性に直結すると考えられる①-④の自由は保証されていると仮定し、正常行動を発現させるための環境エンリッチメントの研究を行いました。しかし現実は異なり、①-④の自由が保障されていない農家が見られ、生産成績も良くない場合がありました。よって、ウェルフェアレベル向上の対策として、五つの自由の内まず①-④までの自由がしっかり保証できているかを確認し、さらなるウェルフェアレベルの向上を目指すのであれば、⑤正常行動を発現する自由に配慮するべきであり、①-④の自由を保証することで生産性が上がる可能性は極めて高いと提案しました。そして、新入社員の農場研修の引率時に、農場で生産者と共に労働をした経験から「日々家畜と接する生産者の福祉が確保できなければ、鶏の福祉は実現できない。生産者の労働環境を整えることで、仕事に対するモチベーションがあがり、動物への配慮ができるようになり、成績・収益アップにつながる可能性が大きい。人の幸せ=鶏の幸せである。」と発表しました。それに対し、ブロイラー生産企業の品質管理責任者から、ご賛同頂いたことは大変励みになりました。一方で、流通業者からは生産者に対する飼育改善を求めるだけでなく、消費者向けのAWの普及啓蒙活動がないとAW商品の購買につながらないとのご意見も頂きました。筆者は前述したように①-④の自由を保証することは生産性向上のために必要なことであり、大きなコストアップになるとは考えておりません。むしろ動物を可愛いと感じ、殺される家畜に対してかわいそうだと思いながらも、お肉も大好きという日本人特有の感受性に対し、AW認証は商品のイメージアップに大きな効果を生むと考えております。そのためにはAW認証の評価方法の確立が不可欠です。

 本セミナーで生産企業や流通業者、研究機関がAWについての意見を交換できたことは大変有意義であり、今後も互いに妥協点を探る努力を続けることで、家畜も人も幸せになるAW畜産が実現する日に一歩ずつに近づけるように思います。




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◇ウマ版アニマルウェルフェアセミナーの報告

二宮 茂(岐阜大学応用生物科学部)




 今年度、アニマルウェルフェアの考え方に対応した馬の飼養管理指針の普及啓発事業によるセミナー(主催:公益社団法人 日本馬事協会)が馬産地を中心に行われている。私はその講師として任命を受け、以下の通り講演を行ってきましたので、報告させて頂きます。


 アニマルウェルフェア(以下、AW)の考え方に対応した家畜の飼養管理指針は、これまで、乳用牛、豚、採卵鶏、ブロイラーで作られ、肉用牛とウマ版が2011年の3月に完成し、全て出揃いました。今年度のウマのAW事業は、いわゆる馬産地(北海道の2つの地域、九州(熊本)、北東北(青森・岩手))にて、一般市民向けのアニマルウェルフェア普及セミナーと生産者や関連団体向けのAW指針の勉強会の2部構成で展開しています。これまで、10月に帯広で勉強会、11月に北里大学十和田キャンパスで普及セミナー(北里大の松浦先生と私の2名で講演)、その翌週に熊本で勉強会と別掲の東海大での普及セミナー、12月に帯広にて普及セミナー(写真参照)を行ったところです(馬産地が日本の北と南に位置するのを、岐阜から講演先への移動中に実感しました)。


 これまでの講演と参加者の方々から頂いた質疑応答から、強く意識した点は、ウマの用途が多岐にわたることです(競走用、乗用、農用などである。ちなみに、今回完成した指針は主に農場で飼養されているウマ(繁殖用や肥育用など)を対象に策定されている)。つまり、ウマの場合、他家畜種のAWに関する動きに無い要素が含まれます。例えば、農用、競走用、それぞれにおけるAWの考え方に対応した馬の飼養管理の原理原則は全く同じだが、AWの考え方に対応した飼養管理を実施できる条件はその用途によって異なるであろうということです。これらは今後の課題となりそうです。

 最後に告知となります。年明けの1月25日(水)13時~15時、札幌のノーザンホースパークケーズガーデンにて、生産者や一般市民向けのアニマルウェルフェア普及セミナーを行います。北大の近藤先生と私の2名で講演を行う予定です。今年度最後のセミナーです、皆様奮ってご参加下さい(参加費無料)。もうひとつ、一般向けに馬のAW指針を解説したパンフレット(右図)ができました。日本馬事協会HPにありますので、興味がある方はHPからダウンロードして下さい。



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◇アニマルウェルフェアセミナー in 九州 報告

伊藤秀一(東海大学農学部)






 2011年11月26日に,東海大学農学部阿蘇キャンパスにおいて,平成23年度アニマルウェルフェア普及啓発セミナー「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理」が、日本馬事協会、畜産技術協会,東海大学農学部の主催で開催されましたので報告いたします。


 当日は,各地から動物飼育関係者や研究者,学生や教員が70名程度集まりました.北海道と並び日本の畜産基地とされている九州ですが,過去にAWに関するセミナーやシンポジウムの開催はほとんどなかったようです.そのため,最初に「AWとは 」と題して、伊藤(東海大学農学部応用動物科学科)が,AWの歴史や全体的な考え方,動物愛護との違いや,各国の法律などに関して簡単に紹介してから,各畜種ごとの詳細な解説を4名の先生にお願いしました.ニワトリについては田中智夫先生 (麻布大学獣医学部動物応用科学科),ブタについては小針大助先生(茨城大学農学部附属FS教育研究センター)が,ウマについてはは二宮 茂先生(岐阜大学応用生物科学部),そしてウシについては竹田謙一先生(信州大学農学部野生動物対策センター)にご担当頂き,EUの法律,科学的評価の手法,消費者の動向など詳しく解説をして頂きました.半日に全てを詰め込むというスケジュールとなってしまった結果,各畜種ごとの時間が短くなってしまいましたが,非常にわかりやすく解説をして頂き,参加者は非常に関心を持って聞いておられました.

 その後,意見交換会が行われ,座長をお願いした田中先生を中心に,会場の皆様と熱い議論が交わされました.会場からは「AWを考えた飼育は,生産性を低下させるのではないか?」「衛生面や疾病の発生につながるのではないか?」など,基礎的な部分ですが,やはりという質問を多く頂きました.特に,馬に関しては(こちらも二宮先生の記事に詳しく書かれていますが),本セミナーでは農用馬のみを対象にしていましたが,一般の方は乗馬用や競馬用,伝統行事用などの身近な動物に関する興味が強く,今後の課題となりそうです.




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◇警戒区域内家畜保護管理特命チームの活動報告


安江 健(学会誌・出版担当・茨城大学農学部)




 本特命チーム発足の経緯や趣旨については、北里大学での秋季シンポジウムや本NL25号において実施責任者である佐藤衆介会員(東北大)から詳細に報告されている。活動の全体像についても適宜HP(http://www.agri.tohoku.ac.jp/animal-welfare/pg490.html)に公表されているのでそちらを参照いただくとして、ここではNL担当の深澤幹事より依頼された「現地での実際の調査状況」を、安江が参加した環境放射能把握のための調査時を中心に報告する。安江の全くの個人的感想であることをご了解いただきたい


 11月22~24日にかけて、汚染実態把握班として出口会員(岩手大)、八代田会員(岐阜大)とともに、一時収容施設である牧場において放牧地(および林地)の牧草、土壌、環境水のサンプリング、放牧による除染効果の評価のための禁牧区の設置、放牧地のGIS構築のためのGPS測量等を実施した。調査時の空間線量(地上1m)は1.1~1.7μSv/h程度であり、前回8月19日に全メンバーで下見に訪れた際より幾分線量は低下していたものの、放牧地表面では依然2.3~4.1μSv/hと高い値を維持していた。前回の訪問時には牛のミイラ化死体と糞尿が山積していた牛舎内も牧場主により片づけられており、放牧地には保護された30頭前後の牛達が“普通に”草を食む光景が見られた。最近出産した(つまり3.11以前に受精した)3頭ほどの母牛も、痩せ気味ではあったが“普通に”子牛を育てており、作業中の我々に探査行動をしかけてきたりした。警戒区域内は当然ながら人気もすれ違う車両もなく、たとえ車であっても1人で移動するのは少し不安な気分であったが、この様に放牧地でたくましく生きている牛達を見てほっとしたと同時に、放射能に汚染されてしまっているという事実が少し信じられないような不思議な気分であった。

 実際の作業は極めてハードで、丸2日間、日没までかかって何とか終えることができた。牧柵やバラ線を担いでの斜面の昇り降り、土壌サンプル採取のためのハンマーでの打ち込み作業と、作業強度的にも平均年齢が40代後半のロートルチーム(失礼)が実施するには極めてハードで、安江などは帰って3日間位は全身筋肉痛で階段の昇り降りが大変であった。無事に作業を完遂できたのはひとえに出口会員と八代田会員のおかげである。この場を借りてお礼申し上げる。このサンプリング作業は来年度以降も続くので、今後は何とか体力の有り余る学生に手伝ってもらえるような体制を整えたいと感じている。この文章を読んで興味を持たれた若い会員各位にも、ご都合が合えば是非ともご協力いただければありがたい。最後に、特命チームでは活動資金の寄付も募っているので、こちらは老若男女を問わずご協力いただければ幸いである。寄付の件についても上記HPに掲載されているので詳細はそちらを参照いただきたい。

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◇今年はISAE2015日本開催の準備元年!

植竹勝治(副会長・麻布大獣医学部)


 年頭にあたり、応用動物行動学会会員の皆様が、無事に新たな年を迎えられましたことに慶びを申し上げます。人間万事塞翁が馬、私たちが昨年受けた艱難辛苦は、必ずや将来の成功の礎となることでしょう。2015年のISAE日本開催もその中の一つの出来事として、日本における応用動物行動学の歴史に刻まれることを願っています。そのためには、ISAE East Asia地域会員のみならず、応用行動学会会員の皆様のご支援とご協力が必要不可欠です。準備元年にあたり両学会の一層の連携を切にお願い申し上げます。


 ISAE日本開催までには、いくつかのステップを踏まなくてはなりません。まず手始めに、組織委員会を立ち上げ、それをISAE評議会に承認してもらう必要があります。現在、森田会長と組織構成メンバーについて相談しています。素案を今年3月の応用動物行動学会役員会(総会も?)で提案させて頂きたいと考えていますので、ご意見・ご検討のほどをよろしくお願い申し上げます。


 次に、昨年夏のISAE評議会において、2015年の開催地を日本とするにあたり、East Asia域内での連携強化と域内(特に近い将来にISAEの開催を希望しているインドや中国など)の会員数増加の努力要請がありました。そのための方策のひとつが、応用動物行動学会の春の研究発表会において、ISAEとJoint Meetingやシンポジウムを開催することです。関連して、昨年夏のISAE総会では、各地域の活動に対して、本部から年間£500の補助金が出されることが決定しました。今後は、この補助金を活用して、2015年に向けて、ISAE East Asia域内の活動を活発化していきたいと考えています。ただし、補助金を得るためには、ISAEホームページへの地域ページのリンクや、地域独自の銀行口座の開設・監査など、いくつかの条件をクリアする必要があります。1点目の地域ページ(http://www.applied-ethology.org/east_asia.html)については、昨年12月に整備を完了しました。2点目の地域独自口座については、年度内には開設したいと考えています。いずれにしましても、この春の研究発表会には間に合いませんでしたが、来年(2013年)春の発表会までには体制を整えたいと思っています。こちらにつきましても、応用動物行動学会会員の皆様には何かとご支援頂くことになろうかと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。


 今年は辰年!2015年に向けて、竜のごとく華麗に飛び立つ(スタートを切る)年にしようではありませんか。そのためにも皆様のご支援とご協力を切にお願い申し上げます。

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◇リニューアルした東北大学家畜福祉学寄付講座の紹介

親川千紗子(東北大学大学院農学研究科)


 東北大学家畜福祉学寄付講座、助教の親川千紗子です。2011年4月に新体制となりました家畜福祉学寄付講座のご紹介をさせていただきます。


 家畜福祉学寄付講座は2008年10月に(株)イシイの寄附により発足した国内初の家畜福祉学講座です。それから2年半経った2011年4月に寄附企業が1社から8社へと増え、教授・佐藤衆介、助教・親川千紗子、客員研究員・小原愛、林訓子というメンバーで新たに再スタートをしました。本講座は期限付きの講座のため、直属の学生はいませんが、佐藤教授が兼任する陸圏生態学分野の学生の中に、家畜福祉に関連する研究を進めている学生が学部4年生1名、修士課程1名、博士課程2名います。


 動物福祉とは皆さんもご存じの通り、人間が管理し飼育する動物に対して、苦痛やストレスをできるだけ軽減させてより良い生活を提供し、心身ともに健康的に飼育することをいいます。本講座は特に家畜動物に焦点を当て、持続可能な家畜福祉に配慮した飼育技術の開発研究を基礎研究から応用研究を通じて進められています。また、その活動は研究室内の研究だけに留まらず産官学連携として現場研究を推進したり、家畜福祉教育システムの開発と実践ということで家畜福祉に関する社会人リカレント教育も積極的に推進しています。東北大とは言っても本講座の所在地は、仙台から北に60km離れた川渡にある附属農場内にあります。自然豊かな附属農場には肉牛・乳牛・緬羊など合わせて約300頭もの家畜動物が飼育されており、夏になると肉牛は東北大の敷地90%以上を占めるという広大な放牧地に放牧されます。このように対象動物、敷地、設備など十分豊かな中で伸び伸びと研究活動を行っています。

 本講座で実施されている研究内容を簡単に紹介いたしますと、寄附していただいている企業がすべて養鶏関連の企業ということもあり、私自身はニワトリを対象として福祉研究を始めています。特にニワトリの音声を用いた研究を始めており、音声を用いた福祉性の評価方法の確立、環境エンリッチメントとしての音声素材の開発、などといったテーマを進めています。また、学生らはウシ(乳牛・肉牛)、ブタなどを対象として研究しており研究対象も研究手法と同様に多岐にわたります。本講座ホームページにて、メンバーの研究活動内容や海外での動物福祉の動向などを随時お知らせしております。少しでも家畜福祉学に興味のある方はどうぞHPでも直接私にでもお気軽にご連絡ください。


 家畜福祉は、今後貿易自由化などによりこれまでにも増して日本の畜産業界にとって重要課題となります。本講座の活動を通して、多くの人に家畜福祉の重要性を広めると同時に、無理のない持続可能な家畜福祉に配慮した飼養技術の確立を目指したいと思います。





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◇編集後記

 深澤 充(ニュースレター担当・東北農研セ)


明けましておめでとうございます。



ニュースレター担当として、今年も会員の皆様に多くの情報を発信できるように努めます。原稿依頼は「二つ返事でOK」でご協力いただけますと幸いです。皆様からの情報提供もお待ちしております。


会員の皆様におかれましては、健康で有意義な一年になることを祈念しております。






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